もやもやレビュー

動こう。きっといつかいいことがある。『キック・アス』

キック・アス Blu-ray(特典DVD付2枚組)
『キック・アス Blu-ray(特典DVD付2枚組)』
アーロン・ジョンソン,クロエ・グレース・モレッツ,クリストファー・ミンツ=プラッセ,ニコラス・ケイジ,マシュー・ヴォーン
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 人間、身のたけサイズが一番だと思います。今の自分の器より大きなことをしようとしたり、自分を大きく見せようとするとたいがい失敗します。はい、失敗して来ましたので。でも、そんな自分を知りつつも、やっぱりやってみることも大事だな! そんなことを思わせてくれる映画を紹介します。

 主人公、デイヴくん(アーロン・ジョンソン)は、友達もいなさそうなナード(内気)でギークでピュアな人物。そういう人物に限ってなぜだかヒーローに憧れちゃうんですよねえ。でも、このデイヴくん、行動力だけはすごい。なんてったって純粋ですから。自分はヒーローになるんだ! とネットでヒーロースーツを購入、ヒーロー活動を開始します。でも、もちろん、実力が伴ってないわけですから、まねごとだけしても失敗します。さっそく暴漢に襲われ刺され、その上車にはねられて見事病院送りとなります。しかも、そのときスーツを隠すために裸になっていたため、ゲイ疑惑まで浮上。ろくなことになりません。

 でも、めげません。ヒーロー活動をその後も続け、なんと、あるときまぐれで3人組に襲われていた男を助けることに成功! その様子を通行人がyoutubeにアップ。たちまち彼の存在はネットでまたたく間に広がり、一躍有名人になりますが、調子に乗って本気のギャングと戦おうとして、今度は幼い少女ヒット・ガール(クロエ・グレース・モレッツ)に助けてもらうハメに。

 とにかく、このヒット・ガールがめちゃめちゃかっこいい! デイヴは完全に引き立て役です。と、こんな感じで主人公はヒーローからほど遠いんですが、でも彼は、この経験を通して、真のヒーローとはなんなのか、を学ぶことになります。嘘です。ちょっといいこと言おうと思いました。何も学ばないのですが、その持ち前の行動力さえあれば、いつかきっといいことがあるさ! 動くことってやっぱ大事だよな、と思わせてくれる映画なのでした。

(文/神田桂一)

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