もやもやレビュー

『バグダッド・カフェ』を観て、いざというときのために手品を習おうと思った

バグダッド・カフェ 完全版 [DVD]
『バグダッド・カフェ 完全版 [DVD]』
マリアンネ・ゼーゲブレヒト,パーシー・アドロン
紀伊國屋書店
商品を購入する
>> Amazon.co.jp
>> HMV&BOOKS

 友達がいない人は当然ながら孤独です。リア充と違って、いざというとき、人から助けてはもらえません。だから一芸を身につける必要があります。芸は身を助けるってやつです。芸を友達にしましょう! なんてことを思ったのは『バグダッド・カフェ』を観たから。

 89年に公開されたこの映画、ミニシアター系映画の走りとされています。アメリカのラスベガス郊外の片田舎にあるロードサイドのうらぶれたカフェ、バグダッド。昭和の匂いのするドライブインみたいなもんでしょうか。ここに旅行中に夫婦げんかをして夫を捨てたドイツ人のおばちゃん・ジャスミンがたどり着き、カフェに併設されたモーテルに住みだすところから物語は始まります。このおばちゃん、おばちゃんだけに世話焼きで、勝手にホテルのフロントを掃除したり子どもをあやしたりして、ちょっとヒステリックなカフェの女性オーナー・ブレンダから蛇蝎のごとく嫌われます。

状況を打開するためにおばちゃんのしたことは、手品。この手品がヒット。カフェにお客が集まりだし、オーナーも徐々に心を開いていきます。最後にはこのふたりに友情なんかも芽生えたりして。手品凄い!これを見てるとなんとなくバカにしていたマギー司郎やマギー審司、ナポレオンズとかが輝いて見えるという効能もあるということを付け足しておきましょう。

(文/神田桂一)

« 前の記事「もやもやレビュー」記事一覧次の記事 »

BOOKSTAND 映画部!

BOOKSTAND

BOOK STANDプレミアム