もやもやレビュー

世の中って残酷だな!と、思ったら『悪魔のいけにえ』で"まだ、まし"感を味わえ!

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 電車の車内広告で、水道水はわき水のように美味しいと言っていました。それは盛りすぎではないでしょうか、と、思いながら飲んでみたら、美味しかったです。インドア派なのでわき水を飲んだことはありませんが。世の中は変わっていくものです。

 巷で話題の『悪魔のいけにえ』を観ました。水道水に負けじと盛ってみました。いや、盛ってなどいません。アメリカでは既に公開されているオリジナル版(トビー・フーパー監督/1974年)の続編『Texas Chainsow 3D(原題)』が、今年1月に公開され初登場1位という話題作。日本でも公開が待たれている状況です(公開時期は未定)。だから今、巷で話題というのは、まったく嘘ではありません。

 ちなみに今年は、80年代ホラーの金字塔『死霊のはらわた』のリメイクが日本でも5月公開と、現代っ子が原点回帰的なホラーデビューをするのにも最適な年といえそうです。ただし『Texas Chainsow 3D(原題)』はリメイクではなく、オリジナルの十数年後を描いた続編とのこと。予告篇はこちらです。
 
 さて、『悪魔のいけにえ』といえば彼。レザーフェイス。人間の皮で作ったお面をかぶって、チェーンソーで人を殺すのが趣味という、テキサスの田舎在住のど変態(変態じゃ済みませんけど)。本名はババ・ソーヤーといい、3人兄弟の末っ子です。彼のみならず3人兄弟全員が変態で、生きながらにしてミイラ化寸前の「じいさま」(祖父)と一緒に暮らしています。そんな危険極まりないお宅へ、ぴちぴちの若者たちがやってきて、もちろんレザーフェイスに次々と殺されるという話です。全然関係ないですが、レザーフェイスの素顔が、どことなく最近のスタローン(『エクスペンダブルズ』とかの)に似ているなと思うのは、私だけでしょうか。

 知らない人の家に勝手に上がり込んじゃダメ!という基本的な学習があったりしますが、最も報われないのは車いすの若者・フランクリンです。出かけたまま帰ってこない彼氏&友達(レザーフェイスに襲われ済み)を、真っ暗闇の中、探しに行くと言って譲らない主人公のサリー。彼女に対して、暗いから行っちゃだめ。夜が明けてからにしようと、至極正しい助言をするのがフランクリンです。でも、興奮している彼女にヒステリックに怒鳴られてしまい、仕方なく付いていくことになるのですが・・・。で、数分後にレザーフェイスのチェーンソー攻撃で即死です。正しい危機意識を持ち、さらに女の子ひとりで夜道を歩かせることをしなかった、ジェントルマンなフランクリンが殺されて、ただのヒステリーだったサリーが、割とボインというだけで生き残る。そんな不公平ってありますかね。世の中とは、無情なものです。わかってはいるけど。

 優しさでは、世の中は生き抜けない。『悪魔のいけにえ』は、そんな残酷な現実を、教えてくれます。
(文/鬱川クリスティーン)

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