『人間失格』を観て、自分の方が全然失格だと思った。
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推薦入試で大学に合格しちゃうやつが嫌いです。でも一般入試で合格して、オドオドして友達が全然できなかった自分はもっと嫌いです。推薦か一般か関係なくなった!
お金持ちの家に生まれた主人公、葉蔵。美少年で、幼いころから何もしなくても自然に女性にモテます。しかしやりたいことや生きてる意味を見いだせない葉蔵は、やがて酒や薬に手を出して堕落の道を歩みます。
太宰治の生誕100周年を記念して、初めて映画化された『人間失格』。実はこの作品、堕落した生活を送り、最後は自殺してしまった太宰の自叙伝でもあるわけですが、もうとにかく主人公のモテっぷりが気になって仕方ありません。映画では生田斗馬が葉蔵を演じていますが、ほんとのほんとにモテてモテてしょうがないんです! 飲みに行った居酒屋で惚れられる。おつかいに行ったタバコ屋で惚れられる。たまたま会っただけの女に惚れられる。あげくもう女を引退したババアに惚れられる。何なんだ! 酒とか薬とかもうどうでもいい! そんなにモテるのが許せん! だいたい太宰治、そんなにかっこよくないだろ!! うそつけ!! あれだけ女にモテて友達がいないってわけでもないやつは人間失格じゃねえ! むしろ合格だろ! あれが人間失格ならこっちはどうなるんでしょう! 失格どころの騒ぎではありませんね。とにかくいろいろと言いたいことはありますが、生田斗馬のイケメンぶりに嫉妬しながら一人でお酒を飲みたい人にはぴったりの映画だと思います。
(文/前髪ナガレ)