過去より今を生きようと思った。『バタフライ・エフェクト』
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もしも昨日、スタバでカフェラテのショートではなくトールを頼んでいたら? もしも一昨日、昼の12時ではなく11時に起きていたとしたら?
通常ならば無視できるレベルの小さな差異が、やがては大きな差になる!という現象を、バタフライ効果と呼ぶそうです。と、考えると人生はすべて選択。何かをするのも選択、何もしないのも選択。ラテのショートではなくトールを選んでいたら、あるいはグランデを選んでいたなら。いや、買わない方がよかったのではないか。そんなことを考えていたら、もう頭がおかしくなりそうです。実際今、ちょっと頭がおかしくなりかけています。
『バタフライ・エフェクト』は、そんなバタフライ効果をテーマにした映画です。幼い頃、時折急に記憶がなくなるという症状に見舞われていた主人公。治療のために日記をつけはじめます。やがて大学に進学する頃までしばらく症状が落ち着いていましたが、ある日、過去の日記を読むとその瞬間に戻ることができるという特殊能力を身につけてしまいます。
小さい頃に好きだった、けれども自分のせいで人生を狂わせてしまった彼女。彼女の幸せ、そして自分の幸せのために何度も何度も人生をやり直す主人公。ラストの選択はあまりに切ない。『時をかける少女』が思い起こされます。
バタフライ効果は確かに存在するのかもしれないけれど、主人公のような能力がない限りもはや取り返しはつきません。その時々の選択を受け入れつつ、生きていかねばならんのです。ちなみに筆者は今日、『ドラクエX』は買わないという選択をしました。10年後にいかなる差異が生まれていようとも、それを受け入れようと思いました。
追記:『ドラクエX』は結局買いました。
(文/根本美保子)