アクションの気持ちよさが異常。『イップ・マン 序章』
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雨上がりのファーストフード。床で滑って膝を脱臼しました。痛い。とても痛い。
そんな日は、病院帰りに映画です。
『イップ・マン 序章』。シリーズが3作品中の1作目です。イップ・マンというのはバットマンとかスパイダーマンのようなヒーロー的な意味での「マン」ではなくて、中国人の人名です。漢字では「葉問」と書きます。けれどほぼ無敵のヒーローという意味では、同じマンに属するといってもいいかもしれません。
実はイップ・マン、実在の人物です。ブルース・リーの唯一の師匠であり、詠春拳という実在する中国武術の師範だそう。世界的に知られた人のようですが、カンフーに疎い筆者はまったく知りませんでした。本作は、そんなイップ・マンの若き日を、中国武術の里といわれる「佛山」の地を舞台に描いています。
若き日とはいっても、イップ・マンは初めから最強の設定です。ですからアクションは、最初から最後まで一貫してキレッキレ! 武術指導はサモ・ハン・キンポー。これが文句なしに気持ちいい。軽快でリズミカルなアクションと、その動きと完璧にシンクロする心地のいい打撃音! 重力的には間違いなくおかしいなどということは、どうでもいい。この気持ちよさにいつまでも浸っていたい。そう思えるくらい、素敵なのです。
物語的には反日テイストが含まれているのでちょっとアレな気持ちにはなりますが、だからといって観ない理由にはならないくらい、アクション必見。
(文/根本美保子)