第23回 重税前に話題の「倍返し俳優」に倹約を学ぶ 〜『武士の家計簿』
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消費税もアップしていくことだし、我々もさらに財布をギュギュッと締めなければないないということで、年末は、今年、話題の「倍返し」俳優による、倹約映画を楽しみたいところです。
主人公は自分の家の財政を立て直すために、尾頭付きの鯛の絵を食卓に並べたり、調度品を町人に売りさばいたりするまさに「家計改革の人」。その努力は共感を得ます。
家財一式、売りさばくことで、ご近所には白い目でみられるし、武士の家としては、たいへんこっ恥ずかしいことだったと、思われます。
でも、モノや見栄がなくなった主人公の家は、実にさっぱり。弁当や夕食に食材の使い回しなどして、生活がシャープに生まれ変わります。
「人間、手ぶらでバカがいい」というのが、私のキャッチフレーズですが、モノや見栄をもたない生活は本当にサバサバしています。清々しいです。
現在で言えば、「情報」や「技術」や「知識」なんかもそうですよ。巷では、「速読術」だの「情報管理」だの、なんでもかんでも効率よく頭にぶち込む方法ばかりを押し付けてきますが、情報なんか、ほんと、ハナクソぐらいでもあれば生きていけるんです。不肖、この私もネットも新聞も読みません。手ぶらで能天気、気楽に生きていけまっせ。
「マルチな才能」「マルチタレント」「マルチな発想」など、マルチ商法ではないんですから、そんなものはたいへん嘘くさいものであります。
主人公の家は、そろばんひとつで、藩に仕える「そろばん侍」の家柄です。そろばんがお家芸で、武道や政略などにはまったく関係ない下級武士ですが、その暮らしぶりはなんとも軽快で、軽やかです。
もうマルチな才能や大量の情報はいらない時代ではないでしょうか。いくらがんばったって、網羅できる時代ではないですしね。
手ぶら、手ぶら。余計なモノや情報は全部捨て去り、専門バカになって、2014年を過ごしてみたらどうでしょう。