第20回 煩悩まみれの女がすべてを捨てて手にしたものは?〜『お買いもの中毒な私!』
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「買い物をすると世界は明るくなる」と主人公・レベッカは言いました。
おっしゃると通りですね。私も買い物は大好きですよ。ショーウインドウを見て、輝くばかりの品々を見ると、恍惚として、思わずクレジットカードを店員に差し出していますね。買い物をすると、元気になるし、なにより自分に自信がつきます。
だけど、レベッカはこうも漏らしています。「でも、その興奮もいつか消えて、また新しい品物をほしくなる・・・」
レベッカは最新ファッションを取り入れるため、多重債務者となるわけですが、どうしてもそれが止まりません。それもよくわかります。私もかつてカード依存症で、とある人々に迷惑をかけて、その人々の前で持っていたカードに全部ハサミを入れた経験があります。
買い物依存症がたたって、恋人も親友もすべて一度は失ってしまうレベッカ。
負債をごまかすため、まわりの優しい人々に嘘をつき、裏切り、信用をすべて失ってしまうレベッカ。しかし、嘘で固めた人生がそうそう長く続くものではありません。
買い物依存症の彼女が、自分を救えたのは、持ち前の明るさとやり直したいという、生きることに、積極的な姿勢でした。
彼女は有名ファション雑誌のコラムニストとしてのオファーも断り、自分の服をすべて売り払い、身一つの手ぶらな人生を歩み直そうとします。
そんな彼女のために、彼女を見捨てなかった経済雑誌の編集長が、こっそり彼女がいちばん大事にしていた、グリーンのスカーフを買い戻してプレゼントしてくれます。彼女はそれをきっかけに、人生をやり直していきます。
煩悩の中でも、物欲というのはそうとうしぶといヤツで、のどの渇きのように、自分の中でその存在を強めていくものです。彼女はすべてを失ったことで、煩悩の鎖を断ち切りました。そして、いままで、手に入れてこなかったもっとすばらしいものを手に入れました。レベッカ曰く、「カードの代わりに愛を得た」のです。
欲望まみれの人は端から見ても、醜いです。執着の強い人は暑苦しく、あんまりお友だちにはなりたくないものです。何にも持たなくて、さっぱりした人には自然と人が集まります。寂しいから金を使うという悪循環を断ち切り、きれいさっぱりストイックに暮らしてみませんか。そうすると、お金や愛は自然と流れ込んでくるものかもしれませんよ。
人間、手ぶらで、バカがいい。