受けを鍛えることの大切さ

船江恒平(ふなえ・こうへい)六段の講座「終盤は筋よく指そう」。2017年7月号のテーマは「攻めを封じる受け」です。受けを鍛えることの大切さを船江六段に教えてもらいました。

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■受けを鍛えることは攻めを磨くことにもなる

攻めと受けは表裏一体だと昔からよく聞きます。これは棋風にも実は言えることなのです。攻めの名手で知られている升田幸三実力制第四代名人ですが、実は受けつぶしも得意としていました。
平成の受けの名手のひとりと言えば森下卓九段の名前が挙がります。ある棋士から聞いた話、研究会で森下先生と指したら、ものすごく筋のよい攻めでつぶされたと言っていました。
受けがうまいということは、相手のあらゆる攻め筋を把握していることになります。ですので、受けを鍛えるということは、攻めの練習にもなっているのです。
課題図はNHK杯の対局を題材にしています。後手玉は手つかずの美濃囲いですが、攻め駒が少ないのが懸案です。ここから先手は、相手玉を攻めるのではなく、後手の攻め駒を責める受けで勝利を手にしました。受けの楽しさを知ることで、より攻めの幅が広がること間違いなしと言えます。
■『NHK将棋講座』2017年7月号より

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