"いわくつき物件"は本当に呪われているのか

宝くじで1億円当たった人の末路
『宝くじで1億円当たった人の末路』
鈴木 信行
日経BP社
1,512円(税込)
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 人生一度きり、後悔しないように生きよう! なんて、耳ざわりの良い言葉が巷には溢れていますよね。でも、みんなが選ばない道を歩んだ結果、実際どうなっちゃうの? なんて考えたことはありませんか。鈴木信行著による本書『1億円当たった人の末路』では「あんなことしちゃったらどうなるんだろう...」と多くの人が普段から想像こそすれ、実際に自分が経験するとなると尻込みしてしまう、そんなあれこれの"末路"を解説しています。

 本書で紹介されている数ある事例のうちの1つ、「事故物件を借りちゃった人の末路」をご紹介しましょう。やはりいわく付き、と言われる物件には呪いのようなものがあったりするのでしょうか?

 知る人ぞ知る事故物件公示サイト"大島てる"の管理人である大島さんはこう語ります。

 「例えば、強盗殺人事件が起きたマンションは往々にして、防犯上の問題を抱えている。転落死亡事故が起きたマンションなら、バルコニーの造りに問題があったりします。火災の場合は消防車が通れない場所にありボヤで済まなかったなど、立地面の問題が考えられます」(本書より)

 つまり、よく事件が起こるような物件は呪いの問題ではなく、現実問題として事故が起きやすいような構造的・立地的欠陥がもともとある、ということになります。よって「事故物件を借りちゃった人の末路」というのは霊的な存在のしわざではないにせよ、何かしらのトラブルに巻き込まれる可能性が高い、ということになりますね。

 しかし、「どうしても説明がつかないケースもある」と大島さんは付け加えます。例えば北九州のある物件、事の発端はとあるマンションの302号室の住人が室内で自殺したことから始まります。

 「部屋はその後、競売に掛けられました。事故物件と競売物件は重なることが多いんです。」(本書より)

 問題はここから先で、競売でその302号室を落札したのが真上の402号室の住人だったそう。この402号室の住人は落札後、勝手に床を壊し、階段を作って自分の部屋とつなげてしまったといいます。「そして2010年8月、この402号室の住人も自殺してしまったのです。現場は階段、つまりもともと302号室だった部分だそうです。すべて本当の話です。」(本書より)

 この他にも、「バックパッカーの末路」や「友達ゼロの人の末路」など、それって大丈夫? という事例を多数ご紹介。いろいろな末路がありますが、読んだ後は「周囲に合わせて生きていかなくてもいいんだ」ということに気付かされるかもしれません。

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