セクシーな下着がセックスレスをさらに悪化させる!?

<喧嘩とセックス>夫婦のお作法 (イースト新書)
『<喧嘩とセックス>夫婦のお作法 (イースト新書)』
おおたとしまさ
イースト・プレス
930円(税込)
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 大好きだったはずなのに、結婚後には相手に不満ばかりで理想と現実のギャップに苦しむ夫婦も少なくないでしょう。ほとんどの場合、男女の意識差から生まれるもので、セックスレスや産後クライシス、家事ハラなど夫婦の危機として問題視されています。

 おおたとしまさ著による本書『<喧嘩とセックス>夫婦のお作法』では、こうした夫婦問題を取り上げ、人が常に成長しているように、夫婦関係も常に変化し成長するものとして必要なものであると捉えて解決策を模索します。

 例えば、セックスレス。日本性科学会によれば、「病気など特別な事情がないのに、1か月以上性交渉がないカップル」と定義される状態のことです。

 今年2月に発表された一般社団法人日本家族計画協会の「男女の生活と意識に関する調査」によると、「セックスレス」の既婚者は47.2%にのぼり過去最多を更新。実に約半数の夫婦がセックスレスの状態であることが浮き彫りなった衝撃的なデータでした。

 その対策として、よく聞かれるのは妻が夫の気をひこうと、いつもとは違うセクシーな下着を身に着けるという作戦ですが、効果はあるのでしょうか。おおた氏はこう指摘します。

 「効果は限定的でしょう。夫がそういう非日常を求めているのであれば、それこそほかの若い女性を口説いているほうが楽しいのです。結局ゴールインできなかったとしても、非日常を求める自体が楽しいです。セックスには大きく分けて二種類あります。『非日常のセックス』と、『日常のセックス』です。よくやってしまうのが、『日常のセックス』を『非日常のセックス』にしようとする努力です」(本書より)

 本書によれば、「非日常のセックス」とは、若い頃に抱く「セックスってどんな体験なんだろう」「この子、ベッドの中ではどんなになっちゃうんだろう」という好奇心、AVを見て新たなプレイに興味が沸く感覚など、セックスそのものを求めることだといいます。

 対して、「日常のセックス」は、すべてをさらけ出しても受け入れてくれる安心と癒しを感じられるセックス。体中で結婚相手こそを感じたいという欲求から、新鮮さよりも2人の歴史がその悦びを高めてくれるもので、夫婦が目指すべき理想のセックスだといいます。

 その意味で、セクシーな下着は真逆の「非日常のセックス」を刺激する行為であり、根本的な解決にはならず、「日常のセックス」がなおざりになり、かえって関係をこじらせてしまう可能性さえあるというわけです。

 では「日常のセックス」を充実したものにするにはどうすればいいのでしょう。

 それにはまず、結婚相手を、自分のすべてを受け入れ、老いても病んでも逃げないと約束してくれた"奇跡のような相手"として立ち返ることだといいます。すると、親密でいられることに「このうえない悦び」を感じられるようになるというのです。

 「若いころ情熱的に愛し合った思い出、一緒に子育てした喜び、ちょっとやりすぎた夫婦喧嘩、ちょっぴり増えた贅肉やしわ、病気やケガの心配......すべてのことがセックスの味わいを増す"隠し味"となります。セックスが、二人の人生の"隠し味"を溶け込ませて、お互いの人生をより味わい深くする営みとなります。『非日常のセックス』では絶対に到達できない極みが見えてきます。」(本書より)

 問題につまづいても安易に避けるという結論を出さず、成長や変化の予兆として捉えることで、新たな夫婦関係を築けるエッセンスが詰まった本書。5月19日には、下北沢本屋B&Bでこちらの関連イベントも開催されるそうです。

■本屋B&B
http://bookandbeer.com/

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