"セックスでキレイになる!"はウソ! 女性誌の欺瞞を女医がメッタ切り

女のカラダ、悩みの9割は眉唾 (講談社+α新書)
『女のカラダ、悩みの9割は眉唾 (講談社+α新書)』
宋 美玄
講談社
907円(税込)
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"恋愛していないと女性ホルモンが少なくなる"

"働き過ぎるとオス化してヒゲが生える"

 そんな言葉、女性なら誰しも一度は目にしたことがあるのでないでしょうか? 恋愛から遠ざかり、毎日仕事ばっかり、それって私のこと? ......と、我が身を省みてドキッとした方も多かったかもしれません。
 また、某女性誌の表紙や電車の中吊り広告では、"セックスでキレイになる"というニュアンスの言葉が躍り、嫌でも目に飛び込んできます。しかし、実はこれらの言葉には医学的なエビデンスがなく、ほとんど"都市伝説"同然のもの。皮肉なことに、女性が生活を充実させるために読んでいる女性誌が、根拠がない情報で不安をあおり、逆に女性を追い詰めているというのです。

 そんな現状を見過ごせない! と立ちあがったのが、女医・宋美玄(そん みひょん)さん。

 代表作『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』(ブックマン社)や、最新作『少女はセックスをどこで学ぶのか』(徳間書店刊)など、これまでにも女性の、特に性にまつわる悩みについての著作を多数執筆している宋さんは、"そんな訳で、私は女性誌にケンカを売ることにしました"と本書『女のカラダ、悩みの9割は眉唾』の「まえがき」で宣言し、女性誌が発信する情報に、医師目線で反論を試みています。

 特に、本書の第4章『「ピルが怖い」って誰が言った? 』では、宋さん自身の体験談が書かれているのも見逃せません。ピルと言うと、一昔前は、避妊薬の印象が強く「副作用で気持ち悪くなるのでは?」等あまり良いイメージを持っていない人が多いようです。しかし、ピルには可逆性があるので、妊娠を希望しない時期に服用することで排卵を抑制し、卵巣を休めて来るべき妊娠に備える、という使い方もあります。
 実際に、宋さんも低用量ピルを7年間飲み続け、飲むのを辞めた途端に34歳で妊娠したとのこと。眉唾情報に振り回されないようにするには、自分自身で正しい知識を身につけ、自分の体についての決定権を持つべきだと言えるでしょう。

 ユーモアを交えつつ軽妙な語り口が特色の本書ですが、宋さんが豊富な臨床経験を通して語る言葉は示唆に富んでいます。女性達が、トンデモ都市伝説や根拠のない眉唾情報に惑わされないために"ヘルスリテラシー"を身につけられる最適な一冊となることでしょう。

【関連リンク】 宋美玄オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/son-mihyon/

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