「孤独から抜け出し、前向きに生きる」---がん患者のあるべき姿とは

孤独を克服するがん治療〜患者と家族のための心の処方箋〜
『孤独を克服するがん治療〜患者と家族のための心の処方箋〜』
押川勝太郎
サンライズパブリッシング
1,620円(税込)
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 今年6月、乳がんで闘病生活を送っていることが公になった歌舞伎役者・市川海老蔵さんの妻でアナウンサーの小林麻央さん(34歳)。9月1日から6年半ぶりに「KOKORO.」と名付けたブログを再開。今月20日に更新したブログでは、乳がんを告知された当時の心境を告白した上で、骨や肺にまでがんが転移していることを綴っています。

 麻央さんのブログは連日、ネットニュースやワイドショーでその内容が報じられていますが、彼女の言葉から伺えるのは、厳しい現実に正面から立ち向かおうとする彼女の凛とした姿勢。その姿に心を打たれた人も多いのではないでしょうか。

 本書『孤独を克服するがん治療』の著者・押川勝太郎さんは、20年以上にわたってがん患者やその家族と接してきた腫瘍内科医です。押川さんは、がん患者が陥る孤独感が希望や気力を奪い、有効な治療を妨げると感じています。

麻央さんも「どうしてがんに罹ったのか」「何が悪かったのか」と自分自身を責めたことをブログに綴っていますが、がんを告知されたショックから自分の殻に引きこもってしまい、治療に積極的になれない人は少なくないようです。「孤独から抜け出し、前向きに生きる」¬¬---押川さんが提唱するがん患者のあるべき姿は、麻央さんに重なります。

本書は、実際に患者や家族からの質問に答える形で、最近の治療の現実から、がん患者ならではの悩みをどう解決していくかについてのアドバイスまでを解説。また、がん治療に有益な一般人向けの本が質問項目ごとに詳しく紹介してあり、読者がもっと詳しい情報を探す時に役立つ内容になっています。

日本人の2人に1人が罹患し、3人に1人はがんが原因で亡くなる時代。がんは人ごとではありません。がんで苦しんでいる当人、さらに家族だけでなく、より多くの人がこうした書籍やなどから、がんの現実を知ろうとすることが大切なことなのではないでしょうか。


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