どうしてこんなにたくさんの種類があるの? クリスマスローズの疑問を解決

撮影:桜野良充
冬になるとあちこちで耳にするクリスマスローズの話題。どうしてそんなに人気なの? いったいどんな花なの? その魅力と楽しみ方を“クリスマスローズ通”の野々口 稔(ののくち・みのる)さんが簡潔にまとめてくれました。

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■Q1 クリスマスローズって、クリスマスやバラと関係があるの?

 
A1 名前の由来に関係はありますが、バラ科の植物ではありません。
クリスマスローズはキンポウゲ科ヘレボルス属の植物。イギリスではクリスマスのころにヘレボルス・ニゲル‘プラエコックス’という品種が咲き、一重咲きの白バラに似ていることから、ニゲル全体に「クリスマスローズ」という英語名がつきました。ネーミングのよさから、日本ではニゲルだけでなくほかの原種や交配種を含め、ヘレボルス属の仲間すべてをクリスマスローズの和名で呼んでいます。原種のニゲルはまさに元祖クリスマスローズといえます。

■Q2 どうしてこんなにたくさんの種類の花があるの?

 
A2 タネでふやす交配種のため株ごとに特徴が違うからです。
クリスマスローズ(ヘレボルス属)には、およそ20の原種がありますが、今、皆さんが目にする多くはヘレボルス・ヒブリダスと呼ばれる交配種です。19世紀後半から本格的な品種改良が行われ、100年以上の間に原種とは異なるバラエティーに富んだ花が生まれました。交配種は主にタネでふやされているため1株ごとに特徴が異なり、多くは園芸品種名がついていないことから、店頭では単に「クリスマスローズ」として販売されることがほとんどです。
■『NHK趣味の園芸』2022年2月号より

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