刺身の味わいを深めたいときは、ぜひ昆布じめを!
- 撮影:蛭子 真
京都の老舗料亭の3代目、村田吉弘(むらた・よしひろ)さんの連載「だしいらずでつくる和食のはなし」。1月号のテーマは「昆布」です。
* * *
新鮮でコリコリとした食感はええけど、いま一つ味に深みがないなあ……。
ついさっきまで生きていた魚をさばいてもらい、刺身にして食べたとき、そないに感じたことはありませんか? 実はそう思うのは当然で、魚のたんぱく質は少し時間をおくことで分解され、うまみ成分が増していくのです。
しかしそうはいっても、買い求めたお刺身がさばかれてどれくらいの時間が経っているか、ようわからんことも多いかと思います。ですので、お刺身を買ってきて少し味見をしてみて、思ったほどうまくないなあと思ったら、昆布じめにしてみてください。特に白身の魚がおすすめです。今回はたいを使いましたが、ひらめなどでも結構です。さくではなく、刺身用に切られているものでも大丈夫です。ただし、昆布のうまみは魚にゆっくりゆっくり移っていくので、時間に余裕はもってください。昆布じめは、時間がつくってくれるおいしさなのです。
魚と昆布の組み合わせ、魚のイノシン酸と昆布のグルタミン酸、違ううまみが合わさることで、相乗効果が生まれます。昆布じめを上手につくるコツは、昆布を酒でしっかり戻すことです。昆布の表面を湿らせてつくる方法もありますが、それだけでは昆布のうまみはうまいこと魚に入ってくれません。めんどうでもこの作業は省かんといてください。
昆布を戻す酒の分量は、結構たっぷりですが、この酒と昆布を使って、おいしいつくだ煮がつくれます。
昆布じめをしたあとの昆布には、まだうまみがしっかり残っていますし、酒にもうまみがしっかりありますので、おいしいつくだ煮に仕上がります。こんなうれしいおまけもある昆布じめ、時間があるときにぜひ試してみてください。
※つくり方はテキストに掲載しています。
■『NHKきょうの料理』連載「だしいらずでつくる和食のはなし」2022年1月号より
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新鮮でコリコリとした食感はええけど、いま一つ味に深みがないなあ……。
ついさっきまで生きていた魚をさばいてもらい、刺身にして食べたとき、そないに感じたことはありませんか? 実はそう思うのは当然で、魚のたんぱく質は少し時間をおくことで分解され、うまみ成分が増していくのです。
しかしそうはいっても、買い求めたお刺身がさばかれてどれくらいの時間が経っているか、ようわからんことも多いかと思います。ですので、お刺身を買ってきて少し味見をしてみて、思ったほどうまくないなあと思ったら、昆布じめにしてみてください。特に白身の魚がおすすめです。今回はたいを使いましたが、ひらめなどでも結構です。さくではなく、刺身用に切られているものでも大丈夫です。ただし、昆布のうまみは魚にゆっくりゆっくり移っていくので、時間に余裕はもってください。昆布じめは、時間がつくってくれるおいしさなのです。
魚と昆布の組み合わせ、魚のイノシン酸と昆布のグルタミン酸、違ううまみが合わさることで、相乗効果が生まれます。昆布じめを上手につくるコツは、昆布を酒でしっかり戻すことです。昆布の表面を湿らせてつくる方法もありますが、それだけでは昆布のうまみはうまいこと魚に入ってくれません。めんどうでもこの作業は省かんといてください。
昆布を戻す酒の分量は、結構たっぷりですが、この酒と昆布を使って、おいしいつくだ煮がつくれます。
昆布じめをしたあとの昆布には、まだうまみがしっかり残っていますし、酒にもうまみがしっかりありますので、おいしいつくだ煮に仕上がります。こんなうれしいおまけもある昆布じめ、時間があるときにぜひ試してみてください。
※つくり方はテキストに掲載しています。
■『NHKきょうの料理』連載「だしいらずでつくる和食のはなし」2022年1月号より
- 『NHKテキストきょうの料理 2022年 01 月号 [雑誌]』
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