受けが出るか、ウケを取るか 木村一基九段の講座スタート

撮影:小松士郎
2019年に悲願の初タイトル、王位を獲得した木村一基九段。そのたくみな弁舌で解説名人とも呼ばれています。そんな木村九段が過去のNHK杯戦から名局をピックアップして語りつくす講座「木村一基のまじウケ放談〜NHK杯戦・受けの名局〜」がスタートしました。

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■受けが出るか、ウケを取るか

木村九段は玉自ら陣頭指揮に立つような力強い受けに定評があり、いつからか「千駄ヶ谷の受け師」と呼ばれるようになりました。
棋士の中でも特別視され、相手の意表を突くことが多い受けの妙技の数々。そこには余人とはひと味もふた味も違った将棋の見方、感じ方があることでしょう。
今回の講座は、木村九段が、自らピックアップした過去のNHK杯戦を改めて解説し、過去の名棋士や現代の強豪と、棋譜を通じて語り合います。
「一局を複数回に分けて解説する講座は珍しく、斬新な企画だと思います。NHKの講座は反響が大きいので緊張します」と殊勝に語る木村九段。
しかしこれは、表の一面に過ぎません。
受けの達人である木村九段には、もうひとつの側面があります。それは巧みな話術を駆使した「解説名人」。いつもNHK杯戦を見ている皆さんならご存じですね。
今回の講座タイトルは『木村一基のまじウケ放談』。うまい受けが出るか、それともウケを取るか。講座が始まってみなければ分かりません。

■戦型ごとにみっちりと解説

4月号は四間飛車対居飛車の対抗形。5月号は矢倉と、アマチュアに人気のある形を取り上げていきます。
以降も相掛かり、角換わり、角交換振り飛車などバラエティに富んだラインナップを木村九段が詳細に解説。1か月に1局〜2局のペースで真剣に取り組みます。
どの棋士のどういった将棋が登場するか。毎週毎月のお楽しみになりそうですね。
「限られた時間の中で、どのように伝えたらよいか。何をいちばん強調すべきか。ご覧いただく皆さんは棋力も楽しみ方も違いますので、ふだん自分が将棋を指すときに考えることとは違ってくるかもしれません」
まじウケ放談と銘打った本講座は、技術的な解説はもちろん、勝負に対する棋士の心構えや、対局者との思い出なども盛り込んでいくことになります。
うっかり口が過ぎてもご愛嬌(きょう)ということで、皆さんも一緒に笑いとばしていきましょう。
■『NHK将棋講座』2021年4月号より

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