「自分もここに並ぶのかとビビりました(笑)」 第69回NHK杯選手権者・深浦康市九段インタビュー
- 撮影:河井邦彦
第69回NHK杯は、稲葉陽八段との決勝戦の末、深浦康市(ふかうら・こういち)九段が初優勝を飾った。優勝者インタビューをお届けする。
* * *
――一局を通しての感想を。
「本局は一貫して強い手を通せました。7図での▲9五角~▲5八飛は悩んだ末の決断だったので印象に残ります。終盤は後手陣の急所を突く手があり、自然によい手が指せました。稲葉さんの気合いも強く感じられて、
すばらしい臨場感の中で対局できたのはうれしかったです」
――優勝した瞬間は?
「子どものころ、長崎でNHK杯を観ているときに、優勝する棋士はどんな人だろうと思った記憶があります。実際に優勝を争う場に立つことができ、夢の中にいるようでした。いつも心配してくださる長崎、九州の皆さんに報告、交流できるのを楽しみにしています。弟子の佐々木大地も本戦に出てくるようになり、師匠が頑張っている姿を見せることができたのも、大変うれしいことです」
――第69回NHK杯戦を振り返ってください。
「過去のNHK杯戦では、気持ちが入りすぎてミスをすることが多かったです。ですので、今回は対局中に距離を少し置いて、冷静に物事を運ぶように注意して臨みました。特に若手との戦いでは意地の張り合いになってしまいがちでしたが、相手も人間で怖いところもある。そう思うと気持ちが楽になり、よい方向に行くような気がしました」
――最後に本誌読者、テレビの視聴者にメッセージをください。
「皆さまにはNHK杯を注目していただいており、勝って地方に行ったときには、うれしいお声がけがありました。2018年度に将棋フォーカスの講座『振り飛車なんてこわくない』を担当したときも多くの方に観てもらっている実感があり、改めてNHK杯戦を頑張らなければと強く思いました。実際に優勝カップを手にしたとき、プレートに大山康晴先生や升田幸三先生の名前があるのを見て、歴史あるNHK杯戦を優勝した喜びとともに、自分もここに並ぶのかと正直ビビりました(笑)」
■『NHK将棋講座』2020年5月号より
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――一局を通しての感想を。
「本局は一貫して強い手を通せました。7図での▲9五角~▲5八飛は悩んだ末の決断だったので印象に残ります。終盤は後手陣の急所を突く手があり、自然によい手が指せました。稲葉さんの気合いも強く感じられて、
すばらしい臨場感の中で対局できたのはうれしかったです」
――優勝した瞬間は?
「子どものころ、長崎でNHK杯を観ているときに、優勝する棋士はどんな人だろうと思った記憶があります。実際に優勝を争う場に立つことができ、夢の中にいるようでした。いつも心配してくださる長崎、九州の皆さんに報告、交流できるのを楽しみにしています。弟子の佐々木大地も本戦に出てくるようになり、師匠が頑張っている姿を見せることができたのも、大変うれしいことです」
――第69回NHK杯戦を振り返ってください。
「過去のNHK杯戦では、気持ちが入りすぎてミスをすることが多かったです。ですので、今回は対局中に距離を少し置いて、冷静に物事を運ぶように注意して臨みました。特に若手との戦いでは意地の張り合いになってしまいがちでしたが、相手も人間で怖いところもある。そう思うと気持ちが楽になり、よい方向に行くような気がしました」
――最後に本誌読者、テレビの視聴者にメッセージをください。
「皆さまにはNHK杯を注目していただいており、勝って地方に行ったときには、うれしいお声がけがありました。2018年度に将棋フォーカスの講座『振り飛車なんてこわくない』を担当したときも多くの方に観てもらっている実感があり、改めてNHK杯戦を頑張らなければと強く思いました。実際に優勝カップを手にしたとき、プレートに大山康晴先生や升田幸三先生の名前があるのを見て、歴史あるNHK杯戦を優勝した喜びとともに、自分もここに並ぶのかと正直ビビりました(笑)」
■『NHK将棋講座』2020年5月号より
- 『NHK将棋講座 2020年 05 月号 [雑誌]』
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