はさむ順番には理由がある! 絶品クラブハウスサンドイッチ

撮影:野口健志
サンドイッチが大好きだという坂田阿希子さん。小さいころにホテルのルームサービスで出会って以来とりことなったクラブハウスサンドイッチをつくってくれました。はさむ順番を守ってつくってみてくださいね。

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サンドイッチが大好きだ。
パンと具材。この組み合わせは宇宙のように果てしなく、そのバランスで何通りにも味わいは広がる。ああ、なんとすばらしい料理だろうか。それでいて、どことなく気軽でかわいくて、ウキウキとする響きをもっている「サンドイッチ」。今回はこの愛しのサンドイッチの中でも王様的定番の地位を誇る「クラブハウスサンドイッチ」を紹介したい。
初めてクラブハウスサンドイッチに出会ったのは、たぶん子どものころに祖母と泊まった東京のとあるホテルのルームサービス。三角形に切りそろえられたキリリとしたパンの中には具材がたっぷり。トーストした3枚の薄いパンはみみも切り落とされ、卵、チキン、レタス、トマト、ベーコンがお行儀よくはさまっていた。ケチャップとマヨネーズ。その2つが具材をピタッと仲よしにしている。一口食べたときにそのおいしさと温かさに驚き、私はクラブハウスサンドイッチが大好きになった。
そのこだわりサンドイッチのつくり方。これにはさむ卵は〝こわし卵〟。フライパンに卵を割り落とし、卵白が焼けてきたところで卵黄をつぶす。つぶした黄身のおかげで、サンドイッチのどこを食べても黄身と白身が味わえます。
鶏肉は厚さを均一にし、塩、こしょうをして皮側から焼きましょう。出てきた脂を拭き取りながら両面こんがりと。ふたをして中まで火を通します。
ベーコンは油をひかずにカリッと焼きます。トマトは薄めの輪切り。きゅうりはパンのサイズに合わせて薄切りに。レタスは大きめにちぎります。
食パンは薄めのものを用意して両面カリッとトーストしましょう。クラブハウスサンドはトーストが命。食べる直前に焼き上げ、少し温かい感じがおいしい。
何といってもはさむ順番が大事です。ちょっとややこしいけど、順番にはすべて理由があるのでぜひお試しを。まず3枚の片面にからしバターを塗ります。私はサンドイッチのときはぜったいイギリスのマスタード。これがピリッとしながらマイルドに全体をまとめます。
1枚目にはレタス、ベーコン、こわし卵をのせます。2枚目のパンはからしバターを塗ってない面にマヨネーズを塗り、その面を下にして卵に重ねます。からしバターの面が上になりました。この上にはケチャップを塗り、こんがり焼けた鶏肉を。ケチャップと鶏肉がピタッと重なりました。この上にトマト、きゅうりを。最後のパンはからしバターの上にマヨネーズを重ねて塗り、その面を下にしてきゅうりにドッキング。はい、これで完成です。手のひらでギュッと押し、3等分に切り分けます。ここがいちばん高揚する時間! サクッと切った断面はきゃーっと叫びたくなるほどおいしそう。具材たっぷりなので、ピックで刺しておくといいですよ。
ポテトチップスを添えたら、あとは豪快にかぶりつくだけ。口の周りにケチャップやらマヨネーズやらをつけながら食べましょう。サンドイッチって名前もかわいいけど、どんな人でもサンドイッチを豪快に食べてる顔がいつもかわいいなぁ、と思ってしまいます。
※詳しい分量とつくり方はテキストに掲載しています。
■『NHKきょうの料理ビギナーズ』2020年2月号より

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