細かいタネを上手に発芽させるコツ

細かいタネにはピート板が便利。撮影:伊藤善規
タネから草花を育てるには、まず発芽させる必要があります。細かいタネを発芽させる秘けつを、広島市植物公園勤務の島田有紀子(しまだ・ゆきこ)さんに教えてもらいました。

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■細かいタネは「日光が好き」

キンギョソウやペチュニアのような細かいタネは好光性種子といい、光が当たると発芽が促されるものが多いです。そのため厚く覆土をすると発芽しにくくなります。
そこで、タネが土の間に落ち込まないよう、ピート板(ピートモスを長方形に圧縮し、乾燥させた板状の播種床)や、細かい用土を入れた平鉢を用い、あらかじめ水をやって湿らせておき、はがき大の紙の上にタネをのせて用土の上に均一に落としていきます。覆土はしません。このとき、軽くて細かいタネは風で飛びやすいので、エアコンなどの風が当たらないところでまきましょう。上から水やりをするとタネが流れたり、用土の中に潜り込んだりするので、受け皿に水をためて鉢底から給水します。
 

■ポイントは「水やり」

発芽して苗が混み合ってきたら順次間引きを行い、本葉が2~3枚展開したらできるだけ根を切らないように、直径7.5~9cmポットに鉢上げして育苗します。
発芽には、水と酸素と温度が必要です。タネは適度な水分を得ると根を伸ばします。発芽のプロセスが始まると後戻りすることはできないので、発芽がそろうまでに一度でも乾かすと死んでしまいます。途中で乾かしたり、あるいは水を与えすぎて酸素欠乏になったりしないようにしましょう。
細かいタネは大きなタネよりも成長が遅いので、いろいろな種類のタネをまきたいときは、小さなタネからまくようにしてください。
■『NHK趣味の園芸』2019年10月号より

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