「冬越し野菜」ってどういうもの?

撮影:栗林成城
寒さを味方に、じーっくり育てて味わい深い冬越し野菜。そもそも、「冬を越す」というのはどういうことなのでしょうか。恵泉女学園大学人間社会学部教授の藤田 智(ふじた・さとし)さんに伺いました。

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■「冬越し野菜」ってどういうもの?

冬越し野菜とは、秋に植えつけ、またはタネまきをして、翌年の春以降に収穫するもののうち、寒さが必要な野菜です。寒さを避けるのではなく、むしろ生育のためには寒さにしっかり当てないといけないので、トンネルシートで覆うなどの防寒はせず、自然な状態で育てる必要があります。冬の寒さを乗り切って春に生育が進むと、おいしく充実した野菜に育ちます。

■冬越し野菜には、どんな種類があるの?

「冬越し」といっても、ただ冬の期間に畑にいる野菜ではありません。ひとつは先に述べた、寒さに当たって花芽(はなめ)ができるもの。寒さにしっかり当たらないと花の数が少なく収穫量が減ります。それがイチゴ、エンドウ、ソラマメなどです。
もうひとつは夏に休眠するため、その前に、球に養分を蓄えて太るもの。肥大した球を食用にするタマネギ、ニンニク、ラッキョウなどです。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2019年10・11月号より

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