ランを咲かせる 夏の鉄則

風通しのよい日なたに遮光率35%のネットを張った夏の置き場。遮光ネットの下に自分が入って水やりなどの作業ができる空間を確保し、台の上に鉢を置く。撮影:成清徹也
愛情をかけたのに花が咲かない。原因は、夏の管理の失敗かもしれません。夏はランの成長期、株を充実させる時期。園芸研究家の江尻宗一(えじり・むねかず)さんが、守るべき「管理の鉄則3か条」を紹介します。

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■鉄則1 「人にはまぶしいくらいの光」に当てる

日に当てて株を充実させる
多くの洋ランは、初夏から秋まで風通しのよい戸外の日なたで育てます。花が咲かないという人は、戸外に出さない、または、戸外でも日陰に置いている場合が少なくありません。コチョウランのように、やや暗い場所でも育つ種類を除き、多くの洋ランは、夏の日光を長時間浴びることで株が充実し、秋から初冬にかけて花芽がつくのです。
ちなみに、オンシジウム、カトレア、シンビジウム、セロジネ、デンドロビウムなどのようにバルブ(肥厚した茎。種類によって形状が異なる)をもつランは、春の花後に古いバルブの横に新芽が出て夏に伸び、葉を茂らせます。これが秋に太り、新しいバルブになり、花芽ができます。バルブをもたないラン(コチョウランやバンダなど)は株の中心から夏に新葉が出て成長し、株を充実させます。
目安は「まぶしいくらいの光」
日光の強さは、遮光ネットを張った下から見上げて「まぶしい」と感じるくらいが目安。遮光率35~45%の遮光ネットを使って、強い光を少しだけ和らげます。
なるべく長時間、日の当たる場所に置くのが理想ですが、それが難しい場合には、少なくとも朝から昼過ぎまで4~5時間、日が当たる場所を見つけて置くようにしましょう。
※鉄則2「原則は毎日水をたっぷり。シャワーも!」、鉄則3「株の上にも下にも風を通す」の詳しい解説はテキストをご覧ください。
■『NHK趣味の園芸』2019年8月号より

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