簡単なのにただならぬごちそう感！　揚げ鶏のイタリアンソース

「難しいこと抜き」の1品で、ごちそうしたい。ほめられたい。そんな願いをかなえてくれるのが連載「実は簡単！　ハレの日ごはん」です。料理研究家の上田淳子（うえだ・じゅんこ）さんが、「揚げ鶏のイタリアンソース」を教えてくれました。

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いったい、「ハレ」と「ケ」の境目とは……？　などと、哲学的な思いにふけってしまいそうになるのは、「普通」の鶏もも肉を「普通」に揚げて、「普通」のトマトのソースをのせたこの一皿が、ただならぬごちそうになってしまったから。唯一「普通でない」ビッグなサイズに手強そうな雰囲気が漂いますが、実は簡単。粉をはたいた肉を冷たい油に入れてから火にかけ、皮側を5分、返して5分揚げるだけです。その間、いっさい触らず、見守る以外にすることなし。「本当に大丈夫？」と疑って、つついたり何度も返したくなる気持ちもわかりますが、成功への近道は、時間を信じてじっくり待つことです。
このチキンにねぎソースをかければ中華風、大根おろしをのせれば和風のおかずになるわけですが、きょうはハレの日。生トマトを使ったイタリアンカラーのソースで、華やかに仕上げましょう。カリカリのアツアツに冷たいフレッシュソースの取り合わせは、夏の最高のおもてなしになりますよ。
■『NHKきょうの料理ビギナーズ』2019年7月号より