お茶の味にも影響! 急須の選び方

炻器(せっき)の常滑(とこなめ)焼の急須(写真左奥)、常滑焼の平型急須(写真手前)、磁器の急須(写真右奥)。撮影:本多康司
道具によっても味わいが変わってくるのが、お茶のおもしろいところ。まずは1 種類ずつでよいので、道具をそろえてお茶をいれてみましょう。お茶の時間がずっと身近で楽しいものになりますよ。スウェーデン生まれの日本茶インストラクター、ブレケル・オスカルさんに、おいしくお茶をいれられる急須を選ぶポイントを教えてもらいました。

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色や形などデザイン重視で選びがちですが、まずは香りを十分に引き出し、おいしくいれられる急須を選びましょう。
最初の急須は、陶器と磁器の中間に位置する“炻器(せっき)”のものがおすすめです。陶器と同じく粘土が原料ですが、長石(ちょうせき/鉱物)を多く含んだきめ細かな粘土を高温で焼いたもので、愛知県の常滑(とこなめ)焼、三重県の萬古(ばんこ)焼がよく知られています。陶器とは異なり吸水性がほとんどないため、安定してお茶をいれられます。また、微細なきめが渋みや苦みをほどよくとらえるので、お茶の香味が際立ちます。冷めにくく、湯温が安定しやすいのも特徴です。
底面が広く、茶葉を均一に広げることができる平型急須も、お茶のうまみを存分に引き出す、使いやすい形です。
磁器の急須は絵付けされたものが多く、華やか。釉薬(ゆうやく)におおわれており、吸水性がなく、渋みや苦みも含めてお茶の味をストレートに味わえます。

■茶こし部分でも味が変わる!?

急須の茶こしには、急須と同じ素材の一体型と目の細かい金属タイプがあります。茶葉の細かい深蒸し煎茶には、目詰まりがしにくい、金属タイプを使うとよいでしょう。茶こしが詰まっていれるのに時間がかかると、雑味が出て、お茶がおいしくなくなってしまいます。

■『NHKまる得マガジン おいしさ再発見! 魅惑の日本茶 』より

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