発酵食品はなぜおいしいの?

代表的な発酵食、キムチ。撮影:新居明子
『きょうの料理ビギナーズ』2018年6月号の特集は「もっと食べたい発酵食」。「体にいい!」と、最近ますます注目を集める発酵食品を使った様々なレシピを紹介しています。味覚の研究に携わり、発酵に詳しい東京農業大学教授の前橋健二さんに、発酵食品のメリットを教えてもらいました。

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■発酵食品はなぜおいしいのですか?

食材に含まれるでんぷんやたんぱく質には味はありません。ですが、微生物がでんぷんを分解すると糖分が、たんぱく質を分解するとアミノ酸が生成され、それが甘みやうまみに。発酵食品を使うと、料理全体の味がおいしくなるのはこのためです。

■発酵食品は健康にいいといわれています。どういう効果があるのですか?

微生物が食材の栄養素を分解すると、体内で消化吸収されやすい状態になるので体への負担が少なくなります。加えて、乳酸菌など特定の微生物は腸内環境を整えて免疫細胞を活性化させ、健康の根本となる免疫力をアップさせることがわかっています。発酵の過程で健康に作用する効果が生まれるものも。日本酒や酒かすには美肌効果があるなど、発酵食品ごとにさまざまな機能性があるとされていますが、まだ研究途中です。

■料理に取り入れるメリットはありますか?

料理がおいしくなることで食材自体の栄養成分をしっかりとれるようになります。また、発酵食品のうまみは塩分のとりすぎ防止にも効果的です。

■健康にいいらしい発酵食品、まとめて食べてもいいですか?

食いだめはできません。いろいろな発酵食品をほかの食材と組み合わせて毎日とり続けてください。
■『NHKきょうの料理ビギナーズ』2018年6月号より

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