野菜作りあるある!装備・道具のNG集

まだまだ寒さは続きますが、菜園家の心は、早くも春へとまっしぐら! 今年は何を育てようかと、心を躍らせている方も多いのでは!? そんな皆さんにお送りしたいのが、思わず「あるある!」と身を乗り出しちゃう、しかし、じつは誤解のNG集。
恵泉女学園大学人間社会学部教授の藤田智さんと、園芸家の深町貴子さんに、野菜作りの装備と道具に関する「あるある」を伺いました。野菜作りをスタート!というはやる気持ちが、NGを招きませんように。

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■あるある!:汚れてもいい服なら何でもいいよね。夏は半ズボンが楽ちんだな。

楽ですが、トラブルのもとですよ。
畑仕事の服装は、農家さんがお手本。夏でも長袖・長ズボンで、帽子をかぶっていますよね。一年中長袖・長ズボンがおすすめなのは、紫外線による肌ダメージを防ぎ、虫刺されや思わぬケガから身を守ってくれるからです。
ズボンは、すそに折り返しのあるものは避けたほうが無難。地面に膝をついたり、クワで耕したりしたときに、土が折り返し部分に入ってしまい、そのまま土を家まで持ち帰ることになります。部屋や洗濯機を汚してしまうかもしれません。また、履物はやっぱり長靴がおすすめです。(藤田)

■あるある!:カタチから入る主義なの。園芸道具は最初に一式そろえちゃおう!

 
とりあえず、必要なものを買いましょう。
 
畑での栽培について
すてきな園芸道具が欲しくなる気持ちはわかります。でも一気にそろえることはありません。買ってはみたけれど使わないものも、意外とあります。コスト面だけでなく、置くスペースの面からも、家にあるほかの道具で代用しながら、必要に応じて、少しずつ買い足していくのがスマートです。
畑派は、まずクワを手に入れましょう。力のない人は軽い道具を選びがちですが、クワは重さを利用して振り下ろすため、軽いものだと逆に力が必要になることも。刃の長さや柄の角度などは、粘土質や砂地など畑の土質によって適したものが変わるので、園芸店などで店員さんに相談しながら選ぶことをおすすめします。
タネまきや苗の植えつけの時期になったら、畝を立てるときに使うメジャーやひも、ジョウロや移植ゴテ、ハサミなどを買い足しましょう。(藤田)
ベランダなどでのプランター栽培について
べランダでのプランター載培で、必須道具といえばジョウロです。畑は雨が降りますが、ベランダでは水をやらないと植物は育ちません。ほかの道具では代用できず、適切な加減で水をやれるのはジョウロだけ。やかんなどでドボドボと水をやると、植物にストレスがかかり、うまく育たないことも多いのです。(深町)

■あるある!:どうせまた汚れるし、クワもスコップも洗わないよ。

洗わないと、道具が早くダメになりますよ。
気持ちはわかります。でも、手入れを怠ると、きっと後悔します。泥汚れや水気のせいで、道具があっという間にさびるから。きちんとメンテナンスをしているクワやハサミなどは切れ味が違います。作業効率のよさは畑仕事の楽しさにもつながるので、作業を終えたら、次の要領で手入れを。
(1)汚れを水で洗い流す。
(2)乾いた雑巾などで水気を拭き取る。
日常のケアはたったこれだけ。意外と簡単でしょう?スペシャルケアは、ひと月に1〜2回。さび止めの油を噴霧し、布で拭きながら塗り込み、余分な油を拭き取ります。(藤田)
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2018年1月号より

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