土の困ったQ&A
- イラスト:山村ヒデト
「土の困った」にまとめてお答えします。これで土の悩みはすべて解決!春からの野菜作りは、成功間違いなしです。
* * *
■Q1:土は、どのくらいの深さまで耕せばよい?
野菜の根が主に張るのは、土の表面から深さ20cmほどまでの間です。この部分がフカフカなら根が張りやすく、野菜が養分や水分を十分に吸収できます。深さ20cmを目安に耕しましょう。これが「作土」といわれる部分で、割り著の端を持って土にさし、スッと全体が入っていくようならOKです。
作士の下の土(下層土/かそうど)も重要です。硬く締まっておらず、軟らかすぎないのがよい土です。支柱などの棒を力いっばいさし込んだとき、深さ60cmくらいまで入ればよいでしょう。棒が入る深さまで、根を張ることができます。
■Q2:堆肥をたくさん入れるほどよい土になる?
堆肥は、有機物と微生物のかたまりです。これを畑に入れることで、土が軟らかくなったり、微生物の種類と量が増えたりと、よいことがたくさんあります。しかし、たくさん入れればよいというものではありません。
その理由の一つが、堆肥にも肥料分が含まれていることです。大量に施し続ければ、肥料過多になり、収穫量が減ることがあります。特に、家畜ふん堆肥は、肥料分を多く含むので注意しましょう。また、バーク堆肥など、軽く、かさのある有機物を含む堆肥の場合は、水はけがよくなりすぎて、乾燥による被害を受けやすくなることがあります。
■Q3:土は耕せばフカフカになる?
土は、耕せば空気が土の中に取り込まれ、軟らかくなります。しかし、それだけでは、すぐにまた硬くなりやすいので腐葉土やバーク堆肥などの堆肥を投入しましょう。軽くてかさのある有機物によって、土の中にすき間ができます。さらに有機物が土壌微生物によって分解されてできる腐植が、「のり」の役割をして、次第に土の団粒構造も発達していきます。
土をフカフカにするには、緑肥を育てるのも効果的です。緑肥は野菜よりも深い位置まで根を張り、土を軟らかくします。さらに、土にすき込んだ緑肥が分解されるとき、土壌微生物が増えるために腐植も増えて、土の団粒化が進みます。
■Q4:野菜を育てるごとに石灰をまいているけれど、大丈夫?
ほとんどの野菜にとってふさわしい土のpHは、6.0〜6.5の弱酸性です。石灰資材を施しすぎると土がアルカリ性に傾き、微量要素の欠乏症が現れやすくなります。
そのため、できれば野菜を育てるごとに土のpHを測りたいところです。それが大変なら、年間で100〜200g/平方メートルとなるように苦土石灰(くどせっかい)を施すとよいでしょう。
■Q5:プランターの培養土は自分で作れる?
もちろん、自分で作ることができます。市販の培養土に比べ、内容がはっきりしている分、安心です。
堆肥として、腐葉土を使う場合と、牛ふん堆肥を使う場合とで配合の割合が変わってきます。どちらを使っても、出来上がる土に基本的な違いはないので、手に入りやすいほうを使えばよいでしょう。
土は、市販の黒土、赤玉土のほか、砂と粘土の両方をほどよく含む土であれば、畑の土も利用できます。畑の土を使う場合は、pH調整のために苦土石灰を混ぜてください。特にトマトやホウレンソウを育てるときは、忘れずに入れましょう。購入したての黒土や赤玉土は弱酸性のため、pH調整は不要です。元肥(もとごえ)の量は野菜の栽培期間によって調整し、長期裁培の野菜は必要に応じて追肥を施します。
■自家製培葉土(10リットル)の作り方
腐葉土を使う場合
・土(※1)……7リットル
・腐葉土……3リットル
・化成肥料(N-P-K=8-8-8)……20〜30g(※2)
牛ふん堆肥を使う場合
・土(※1)……9リットル
・牛ふん堆肥……1リットル
・化成肥料(N-P-K=8-8-8)……20〜30g(※2)
※1:市販の黒土、赤玉土(中粒)のほか、砂と粘土の両方をほどよく含む土であれば、畑の土も使える。
※2:コマツナやホウレンソウなど、栽培期間が短い野菜の場合は20g、トマトやキュウリなど長めのものは30gが目安。なお、畑の土を使う場合は、苦土石灰50gを混ぜる。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2018年1月号より
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■Q1:土は、どのくらいの深さまで耕せばよい?
野菜の根が主に張るのは、土の表面から深さ20cmほどまでの間です。この部分がフカフカなら根が張りやすく、野菜が養分や水分を十分に吸収できます。深さ20cmを目安に耕しましょう。これが「作土」といわれる部分で、割り著の端を持って土にさし、スッと全体が入っていくようならOKです。
作士の下の土(下層土/かそうど)も重要です。硬く締まっておらず、軟らかすぎないのがよい土です。支柱などの棒を力いっばいさし込んだとき、深さ60cmくらいまで入ればよいでしょう。棒が入る深さまで、根を張ることができます。
■Q2:堆肥をたくさん入れるほどよい土になる?
堆肥は、有機物と微生物のかたまりです。これを畑に入れることで、土が軟らかくなったり、微生物の種類と量が増えたりと、よいことがたくさんあります。しかし、たくさん入れればよいというものではありません。
その理由の一つが、堆肥にも肥料分が含まれていることです。大量に施し続ければ、肥料過多になり、収穫量が減ることがあります。特に、家畜ふん堆肥は、肥料分を多く含むので注意しましょう。また、バーク堆肥など、軽く、かさのある有機物を含む堆肥の場合は、水はけがよくなりすぎて、乾燥による被害を受けやすくなることがあります。
■Q3:土は耕せばフカフカになる?
土は、耕せば空気が土の中に取り込まれ、軟らかくなります。しかし、それだけでは、すぐにまた硬くなりやすいので腐葉土やバーク堆肥などの堆肥を投入しましょう。軽くてかさのある有機物によって、土の中にすき間ができます。さらに有機物が土壌微生物によって分解されてできる腐植が、「のり」の役割をして、次第に土の団粒構造も発達していきます。
土をフカフカにするには、緑肥を育てるのも効果的です。緑肥は野菜よりも深い位置まで根を張り、土を軟らかくします。さらに、土にすき込んだ緑肥が分解されるとき、土壌微生物が増えるために腐植も増えて、土の団粒化が進みます。
■Q4:野菜を育てるごとに石灰をまいているけれど、大丈夫?
ほとんどの野菜にとってふさわしい土のpHは、6.0〜6.5の弱酸性です。石灰資材を施しすぎると土がアルカリ性に傾き、微量要素の欠乏症が現れやすくなります。
そのため、できれば野菜を育てるごとに土のpHを測りたいところです。それが大変なら、年間で100〜200g/平方メートルとなるように苦土石灰(くどせっかい)を施すとよいでしょう。
■Q5:プランターの培養土は自分で作れる?
もちろん、自分で作ることができます。市販の培養土に比べ、内容がはっきりしている分、安心です。
堆肥として、腐葉土を使う場合と、牛ふん堆肥を使う場合とで配合の割合が変わってきます。どちらを使っても、出来上がる土に基本的な違いはないので、手に入りやすいほうを使えばよいでしょう。
土は、市販の黒土、赤玉土のほか、砂と粘土の両方をほどよく含む土であれば、畑の土も利用できます。畑の土を使う場合は、pH調整のために苦土石灰を混ぜてください。特にトマトやホウレンソウを育てるときは、忘れずに入れましょう。購入したての黒土や赤玉土は弱酸性のため、pH調整は不要です。元肥(もとごえ)の量は野菜の栽培期間によって調整し、長期裁培の野菜は必要に応じて追肥を施します。
■自家製培葉土(10リットル)の作り方
腐葉土を使う場合
・土(※1)……7リットル
・腐葉土……3リットル
・化成肥料(N-P-K=8-8-8)……20〜30g(※2)
牛ふん堆肥を使う場合
・土(※1)……9リットル
・牛ふん堆肥……1リットル
・化成肥料(N-P-K=8-8-8)……20〜30g(※2)
※1:市販の黒土、赤玉土(中粒)のほか、砂と粘土の両方をほどよく含む土であれば、畑の土も使える。
※2:コマツナやホウレンソウなど、栽培期間が短い野菜の場合は20g、トマトやキュウリなど長めのものは30gが目安。なお、畑の土を使う場合は、苦土石灰50gを混ぜる。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2018年1月号より
- 『NHK趣味の園芸 やさいの時間 2018年1月号 [雑誌] (NHKテキスト)』
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