基本操作からデジタル終活まで。シニアのスマホ活用術を徹底解説
- 『老いてこそ、スマホ 年を重ねて増える悩みの9割は、デジタルで解決する 老いに親しむレシピ』
- 牧壮,増田由紀
- 主婦と生活社
- 1,650円(税込)
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突然ですが、クイズをひとつ。「物忘れが多くなった」「付き合いが減って孤独感がある」「災害時に頼れる人がいない」「日々の買い物が億劫になった」......年を重ねると生じる、こうしたお悩みを解決してくれるアイテムとは何でしょうか?
答えは「スマホ」。「加齢の悩みの9割はスマホで解決できる」「むしろ、シニアにこそデジタルを!」と、書籍『老いてこそ、スマホ 年を重ねて増える悩みの9割は、デジタルで解決する 老いに親しむレシピ』ではシニア世代のスマホデビューを呼びかけます。
同書は、100歳当時の故・日野原重明医師にネットの使い方を教え、現在86歳にして自身も軽々とスマホを使いこなす牧 壮さんと、20年以上にわたって高齢者世代にデジタル機器の使い方を教えてきた増田由紀さんによる共著。スマホ賢者のふたりが、シニア世代がスマホを使いこなすための秘策を教えてくれる一冊です。
アナログ世代のシニアにとっては、カタカナの多いスマホ用語が最初の難関。たとえば私たちが当たり前のようにこなしている「タップ」や「スワイプ」という操作も、初心者には理解が難しいようです。同書では「タップ」は「赤ちゃんのほっぺをつつくように」と感覚的な表現を使ったり、「スワイプ」は「画面をなぞる」と日本語に置き換えたりしてわかりやすく説明しています。
さらに、「スマホのアカウントがわからなくなる」という、記憶力が弱くなるシニア世代の悩みには「記憶はやめて記録に頼る」ことを提案。スマホを持ったら必ず一冊ノートを作り、作成したアカウントIDやパスワードなどを記しておくことをすすめます。この「アカウントノート」はシニア世代のデジタル終活にも有効。アカウントノートの置き場所を家族に伝えておくと、自分にもしものことがあったときに家族がスムーズに情報を引き継げて安心だといいます。
ほかにも同書では、スマホの基本操作からネットでの上手な検索方法、LINEの使い方や交流方法、スマホでの買い物や決済、災害時に役立つアプリや情報収集術まで網羅。スマホに対する苦手意識をなくし、「スマホってこんなにいろいろなことができるんだ!」「これなら自分にもできそう!」という気持ちを引き出してくれる内容になっています。
なかでも「PayPayで子どもに内緒で孫にお小遣いを送る」「目が衰えてきて読書しづらい場合はオーディオブックのAudibleで楽しむ」などは、今の時代ならではの使い方ではないでしょうか。こうしたスマホ活用法が身につけば、日々の生活がもっともっと便利でワクワクしたものになるはずです。
同書は自分の親にスマホを使ってほしいと考える人にもおすすめです。自身が親に説明するときの参考にしてもいいですし、同書を親にプレゼントして読んでもらうのもよいでしょう。シニア世代にとっても、使いこなせば最高の相棒になってくれるスマホ。同書でそのとっかかりを見つけてみてはいかがでしょうか。
[文・鷺ノ宮やよい]