もやもやレビュー

『月刊予告編妄想かわら版』2026年11月号

毎月下旬頃に、翌月公開の映画を各週一本ずつ選んで、その予告編を見てラストシーンやオチを妄想していく『月刊予告編妄想かわら版』六十三回目です。
果たして妄想は当たるのか当たらないのか、それを確かめてもらうのもいいですし、予告編を見て気になったら作品があれば、映画館で観てもらえたらうれしいです。
11月公開の映画からは、この四作品を選びました。

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『ゴジラ-0.0』(11月3日公開)
公式サイト:https://godzilla-minuszero.toho-movie.jp/
予告編:https://youtu.be/F_1FnUxXk8E

 世界が熱狂し、多くの賞賛を集めた『ゴジラ-1.0』。その舞台から二年後を描いた山崎貴監督『ゴジラ-0.0』。今作は日本映画初のFilmed For IMAX作品であり、IMAX独自の拡張画角の上映となることも話題になっています。
 予告冒頭から、「私たちはゴジラを葬りきれていなかった」と言う野田健治(吉岡秀隆)、「見ましたよね、アイツがバラバラになって沈んでいくとこ」と言う主人公の敷島浩一(神木隆之介)、また、「毒をもって毒を制すじゃ」と言う今作から登場する村上寛治(田中泯)らの発言。そしてゴジラが復活し、戦後復興に向かおうとする東京に再び現れることでまた激震が走るようです。
 ここからは妄想です。と言いたいところですが、こちらも新しく登場した天才予報官の青山真琴(長澤まさみ)が「プランDを提案してもよろしいですか」というセリフや復活したゴジラに向かっていく戦艦や戦闘機たちの姿もありますが、衝撃的なのはゴジラが宙から降ってくる、空から落とされているシーンがあります。そこに村上寛治が「心配するな、ヤツはゴジラじゃない」というセリフが重なるのも予告編で見ることができます。
 この続編にはゴジラ以外の「なにか」が登場することが示唆されています。怪獣大戦争が戦後の東京で起こるのか、大きなスクリーンで見届けましょう!


『すべて真夜中の恋人たち』(11月13日公開)
公式サイト:https://www.bitters.co.jp/subemayo/
予告編:https://youtu.be/Jp8j1p5aO4o

 川上未映子の海外でも人気を博している恋愛小説を、『あの子は貴族』などを手がけた岨手由貴子監督が映画化した『すべて真夜中の恋人たち』。
 フリーの校閲者である入江冬子(岸井ゆきの)はある日、三束(浅野忠信)という年上の物理教師と偶然知り合う。「私、光を見るのが好きで」「わかりますよ、私も光が好きで物理を始めたようなものなので」という二人の会話や、日が暮れ始めている道を二人が一緒に歩いている姿も予告編で見ることができます。
「彼氏?」「そうじゃないけど」「じゃあなに、友だち?」と冬子が友人の石川聖(森田望智)に聞かれている場面もあります。
 ここからは妄想です。予告編の中に冬子が「光に触れることはできますか?」と話している場面もあり、「光」が彼女に取っては三束や誰かとの愛しい関係性や距離感のようにも思えてきます。タイトルにも「真夜中」とあるように、闇の中でも一緒にいると光に触れるような気持ちになる、そんな関係性を求める、そんな恋愛映画なのかもしれません。
 この作品は二人が両思いになって恋が実るようなラストなのでしょうか? 「光」に触れたいと思う冬子は例えば三束に妻子がいることがわかって、身を引くことになり、「光」を失ってしまう、真夜中に戻ってしまうラストなのかもしれません。


『ファーザー マザー シスター ブラザー』(11月20日公開)
公式サイト:https://gaga.ne.jp/FMSB_NOROSHI/
予告編:https://youtu.be/WtQDew_lGwo

 ジム・ジャームッシュ監督の6年ぶりの新作は、第82回ヴェネチア国際映画祭にて最高賞〈金獅子賞〉を受賞した『ファーザー マザー シスター ブラザー』。
 ニュージャージーの田舎町で隠居する父(トム・ウェイツ)を訪ねた娘(メイム・ビアリク)と息子(アダム・ドライバー)、ダブリンに暮らしながら顔をあわせるのは年一度の家族行事の時だけの母(シャーロット・ランプリング)と姉(ケイト・ブランシェット)と妹(ヴィッキー・クリープス)、パリでは両親を亡くした双子の兄妹(ルカ・サバトとインディア・ムーア)が遺品整理のために久しぶりに再会する、という三つの町と三家族それぞれの人生を描いた物語のようです。
 ここからは妄想です。三部構成ということでジム・ジャームッシュ監督の『ナイト・オン・ザ・プラネット』、『コーヒー&シガレッツ』を彷彿させます。どの家族もどこかぎこちなく、かみあっていない雰囲気が予告編から伝わってきます。
 また、三家族それぞれがお茶をする時間を共有しているシーンも予告編にあります。シラフのままで向き合う彼らや彼女たちは、これまで踏み込めないでいたままの家族の知らない時間を会話から知ろうとしているように見えます。でも、どこかの家族は知らなくてよかったことを知ってしまい、絶縁する可能性もあるかもしれません。


『このごにおよんで愛など』(11月27日公開)
公式サイト:https://k2pic.com/film/konogo/
予告編:https://youtu.be/oqBNola5V2o

 是枝裕和・西川美和の監督助手を務めた広瀬奈々子監督によるオリジナル脚本映画『このごにおよんで愛など』。
 絵本作家の詩(長澤まさみ)が保険会社勤務の夫・杜夫(柄本佑)と不貞関係を続けている担当編者の潤奈(石橋静河)の二人を前にして、「たとえば、三人で子どもを作るのはどうかなって思って」という衝撃のセリフから予告編が始まります。
「杜夫も潤奈も子どもが欲しいわけだからウィンウィンじゃん」という詩のセリフや、杜夫は「僕たちの気持ちを利用して」、潤奈は「ほんとわがまま」というセリフがあったりして、二人とも詩に振り回されながらも、彼女のことが好きなことが伝わってきます。
 ここからは妄想です。「3人で家族になりたいと思った。」というテロップも途中で出てきますが、杜夫と潤奈と共に生きていきたいとわがままな希望を抱いてしまった詩にはそれしか二人と別れない方法が見つからなかったかもしれません。また、杜夫と潤奈の二人が子どもを欲しがっているのを知っているのも大きな要因になっている可能性が高そうです。
 ラストシーンは体外受精で杜夫の子どもを妊娠した潤奈が出産するものの、実は余命わずかだった詩がそれを見届けて亡くなってしまう。残された二人は自分たちの子どもと新しい「3人の家族になる」というものかもしれません。

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文/碇本学

1982年生まれ。物書き&Webサイト編集スタッフ。

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