プロの詐欺師が知った驚愕の真実『グッドライアー 偽りのゲーム』

　『トワイライト』シリーズや『美女と野獣』（2017年）で知られるビル・コンドンがメガホンをとった『グッドライアー 偽りのゲーム』。2016年にニコラス・サールが発表した「老いたる詐欺師」を原作とし、主演は名優のヘレン・ミレンとイアン・マッケランが務めたことでも話題になりました。

　イアン・マッケラン演じるロイ・コートネイはベテラン詐欺師。巧妙な手口で大金を稼いできたロイは相棒のヴィンセントとともに、新しい"獲物"について語ります。それは、高齢者向けの出会い系サイトで出会った裕福な未亡人のベティ（ヘレン・ミレン）。ベティの前ではジョークがうまく優しい男性を演じるロイ。映画『イングロリアス・バスターズ』などを見に行ったり、食事をしたり、デートを重ねて絆を深めていきます。ロイは、自身の計画が順調だと思っていた矢先、ベティとのデート中に過去の詐欺の被害者に尾行されていることに気づき......。

　最後の最後で大きなどんでん返しがあるこの作品は、作中に散りばめられたパズルのピースを組み立てていくような感覚で見るとより楽しめる一本。本作は、ロイとベティの過去も描かれ、またロイの相棒や詐欺に加担した仲間や被害者、そしてベティの孫など脇役たちにも十分注意して鑑賞してみて欲しいです。この物語を彩っているのはやはり名優イアンとヘレンの演技と2人の掛け合いでしょう。意外にも映画作品で共演したのは本作が初めての2人。ちなみにプライベートでは2人ともロンドン東部のワッピングという地区に住んでいるご近所さんだそう。イアンの凶悪っぷりも、ヘレンの素朴っぽさを醸し出す演技にも鳥肌が立ちました。

（文／トキエス）