もやもやレビュー

相手のすべてを知ることが、果たして「愛」なのか?『ドラマなふたり』

『ドラマなふたり』 8月21日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開

「A24史上最速で、全世界興収1億ドル突破の大ヒットを記録した話題作が遂に日本へ!」----このニュースを目にしたときから、一体どんな作品を見せてくれるのかと胸が躍っていた。しかも『スパイダーマン』シリーズのMJ役で知られるゼンデイヤと、『ハリー・ポッター』シリーズのセドリック役や『THE BATMAN-ザ・バットマン-』で異彩を放つロバート・パティンソンがカップルを演じるウェディングムービー。期待に胸を膨らませて劇場へ向かった。

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ボストンで出会い、誰もが羨む理想のカップルとなったチャーリー(ロバート・パティンソン)とエマ(ゼンデイヤ)。交際2年を経て結婚を決意したふたりは、式を7日後に控え、親友夫婦と共に順調に準備を進めていた。しかし式の直前、軽い気持ちで始めた「過去の最悪の行い」を告白し合うゲームで、エマが全員を絶句させるほどの【最悪の秘密】を明かしたことで事態は一変。翌日、彼女から理由を聞くも納得できず、チャーリーは愛と恐怖・嫌悪の狭間で激しく混乱する。周囲を巻き込んだ大イベントを止められず、何も解決しないまま迎えた結婚式当日。だが、本当の【最悪】はそこから始まろうとしていた――。

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「結婚」という人生の大きな節目をとらえた本作だが、ときめく甘いラブストーリーを想像していると、全く見たことのない角度から頭を殴られることになる。
何より圧巻なのは主演ふたりの演技力だ。完璧に見えたエマが見せる底知れぬミステリアスさや不安定な感情を完璧に体現したゼンデイヤと、愛する彼女への愛情と「秘密」を知ってしまった恐怖との狭間で胃を痛めるようなリアルな混乱を演じきったロバート・パティンソン。式までのカウントダウンが進むにつれて、二人の距離感やポップでハッピーだった空気感が不穏に歪んでいく演出の妙があり、一瞬たりとも目が離せない。

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どれだけ長く一緒に過ごそうと、どれだけ深く愛し合っていようと、パートナーのすべてを知っているわけではない。「見なければよかった」「言わなければよかった」過去の真実によって、これまで積み上げた不信感が拭えなくなっていく物語は、観ているこちらの胸にも深く突き刺さる。好きな人だからといってすべてをさらけ出す必要はないし、知る必要もないのだと痛切に感じさせられた。
劇場を出たあと、あなたは隣のパートナーと「過去の最悪の行い」を明かし合うゲームをする勇気があるだろうか? 正直、カップルで鑑賞するにはあまりにもリスクが高すぎるかもしれない。

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「秘密」を知ったとき、あなたなら式をキャンセルするだろうか? それとも愛のために目を瞑るだろうか? 想像を絶する「最悪の結婚式当日」の幕開けを、ぜひ劇場で目撃してほしい。

(文/杉本結)

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『ドラマなふたり』
8月21日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開

監督・脚本:クリストファー・ボルグリ
出演:ゼンデイヤ、ロバート・パティンソン 、アラナ・ハイム、ママドゥ・アティエ、ヘイリー・ゲイツほか
配給:ハピネットファントム・スタジオ

英題:The Drama
2026/アメリカ/105分
公式サイト:https://happinet-phantom.com/drama
予告編:https://youtu.be/YQEwTYBhRkE
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