もやもやレビュー

チャップリンの人生、仕事、そして愛。『チャーリー』

チャーリー(字幕版)
『チャーリー(字幕版)』
ロバート・ダウニー・Jr,ジェラルディン・チャップリン,ダン・エイクロイド,モイラ・ケリー,アンソニー・ホプキンス,ケヴィン・クライン,ダイアン・レイン,リチャード・アッテンボロー
商品を購入する
>> Amazon.co.jp

 天才映画監督、チャールズ・チャップリン。チャップリンといえば無声映画時代に、そのコミカルな動きで人気を博し、芸術に貢献したとしてアカデミー賞名誉賞を受賞したことでも知られています。そんなチャップリン、一体どんな人生を送ってきたのでしょうか。映画『チャーリー』では、チャップリン役を『アイアンマン』で知られるロバート・ダウニー・Jr.が演じ、彼の苦悩や情熱を描いています。

 72歳となったチャップリン。スイスの静かな邸宅で、自伝の出版のために編集者のジョージ・ヘイデンとお茶を飲みながら語り合います。しかし、自伝のためにチャップリンが語ったことの中には、曖昧なものも。ジョージはチャップリンに質問し、チャップリンは貧困の幼少期に5歳で舞台に立った経験から、アメリカで成功を収めるまでの人生や、仕事、そして愛を振り返っていきます。

 チャールズ・チャップリンといえば、トーキー(映像と音声が同期した映画)時代が到来したときに、その主流となった方法を使わずに無声映画にこだわった...という話はとても有名。この映画でも、「無声映画でないと魔法が消えてしまう」と熱弁するシーンがあり、とても印象的でした。体の動きや表情だけで、笑いも感動も与えたチャップリン。本作では、舞台上やスクリーン上では見せなかった、チャールズ・チャップリンの苦悩と、映画に対する情熱に触れられたような気がしました。

 ちなみにチャップリンを演じたロバート・ダウニー・Jr.は、役作りのためにバイオリンや左利きでのテニスを習得。さらに、彼の姿勢をまねるためには専属コーチを雇ったそうです。ロバートは本作で、第46回英国アカデミー賞主演男優賞を見事獲得しました。

(文/トキエス)

« 前の記事「もやもやレビュー」記事一覧次の記事 »

BOOKSTAND

BOOK STANDプレミアム