もやもやレビュー

女性観客を不快にさせる"ラッキーな男"『マッチポイント』

マッチポイント [Blu-ray]
『マッチポイント [Blu-ray]』
ジョナサン・リース・マイヤーズ,スカーレット・ヨハンソン,エミリー・モーティマー,ウディ・アレン
角川映画
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 ダメ男に傷付けられ、フラれた女友達から「その彼が『マッチポイント』という映画が好きだった」と聞いたことを思い出しました。『マッチポイント』は、当時21歳で色気が爆発しているスカーレット・ヨハンソンの印象が強かった本作ですが、友達からそれを聞いた時は、「"叶わぬ恋"を描いた作品なのだ」と勝手なイメージで決めつけていました。しかし、いざ本編を見てみると、それはなんとも女性には辛すぎる展開で、そのダメ男と友達が別れてよかったな......と、なんだか胸を撫で下ろした自分がいました。

 主人公は元プロテニス・プレイヤーのクリス。彼は、キャリアアップを目指して高級会員制テニスクラブでコーチとなります。そこで成功者のトムにコーチングすることになった彼は、トムの婚約者であるノラ(スカーレット・ヨハンソン)に出会い、惹かれていきます。そんな中、トムの妹がクリスを気に入っていることから交際に発展し、やがて結婚。しかしノラへの想いは止まりません。さらに結婚直後にクリスは、トムとノラの破局を耳にします。その後、街でばったりノラを見かけたクリスは、またもや彼女にどんどんハマり猛アプローチ。ノラは「どうせ離婚しないんでしょう?」と断ろうとするものの「いや、離婚する」と言って、関係を続けていきます。やがてノラが妊娠したことで事態は急変。クリスはノラから離婚を迫られるものの、富豪の娘である妻との良い生活を捨てたくはないという思いが強くなっていくのです。

 クリスは、ある意味強運の持ち主。筆者と同じく女性目線で見ると「お願いだから痛い目を見てほしい」と思うほど、本当に都合のいい男。そして、女性にとっては"不快"とも思えるほど修羅場をくぐり抜けていくラッキーな男であるクリスが、最後に失ったもの&手にしたものにも注目です。ちなみに大手サイトのあらすじでは「クリスの運命を狂わすノラをスカーレット・ヨハンソンが演じる」的な感じで描かれていますが、「ノラの運命を狂わせるのがクリス」が正解のような気がします。

(文/トキエス)

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