もやもやレビュー

新しい視点で見るリング。『ザ・リング/リバース』

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 ジャパニーズホラーを代表する作品のひとつ『リング』。「呪いのビデオを見ると必ず7日後に死ぬ」というテーマで複数作品化され、ハリウッド映画化までされてきたなかで、「なんだか新しい視点だな」と感じたのがハリウッド第3弾の『ザ・リング/リバース』。原作者の鈴木光司さんが、「ハリウッドで作られたリングシリーズ史上、最も原作に忠実」だと絶賛した一本でもあります。

 本作で"呪いのビデオ"を手にしてしまうのは、なんと大学教授。教授はこのビデオの謎を解き明かす研究を始め、なんとビデオを生徒たちに見せて"実験"していました。この呪いはコピーを誰かに見せると解けるのですが、教授は、生徒たちが死なないように、7日以内にコピーを見せるための存在「テール」をなんとか見つけ出し"死の連鎖"をつなげながら研究を続けていました。そんなプロジェクトに加わったのは、主人公ジュリアの恋人ホルト。ホルトの「テール」が見つからないことに焦ったジュリアは、自身が「テール」になるために呪いのビデオを見てしまうのです。そこから、幻覚が見えるようになったジュリアは、謎を解き明かすため、幻覚を頼りにある街へと足を運ぶのでした。

 これまで人伝に広がっていた呪いのビデオが、研究に使われる......というこれまでにはなかったような視点でこのビデオが描かれているのも面白いポイント。リングシリーズってどれもありきたり...とは言わせない! そんなメッセージがこもっていそうなホラー作品に仕上がっていました。リングのストーリーをあまり覚えていない人にもおすすめの一本です。

(文/トキエス)

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