家族との絆を再確認『あなたを見送る7日間』

　『モンスター上司』のジェイソン・ベイトマンを主演に迎え、ティナ・フェイ、アダム・ドライバー、ローズ・バーンなど豪華俳優陣が集結した、家族の物語『あなたを見送る7日間』。父の訃報を聞き、4人の兄弟姉妹が一つ屋根の下で7日間過ごすストーリー。家族との絆に触れることができる、とても温かな気持ちになれる一本でした。

　愛する妻の誕生日に、会社を早退して誕生日ケーキを持ち、我が家へと帰ってきたジャド（ジェイソン・ベイトマン）。しかし彼は、そこで妻が上司とベッドをともにしているところを目撃してしまうのです。落ち込んだジャドのもとに、さらなる悲劇が。妹から連絡があり、なんと父の訃報を聞かされてしまうのです。ボロボロの状態で実家に戻ったジャドが聞かされたのは、「父の遺言」として、故人が亡くなってから7日間ひとつ屋根の下で過ごすというユダヤ教の「シヴァ」をおこなうことでした。中年となった兄弟姉妹。もちろんそれぞれが問題を抱えながらこのシヴァに出席し、いろんなトラブルに見舞われます。またジャドは高校時代に関係のあったペニーと再会し......。

　故人を見送るために集まった兄弟姉妹。しかし、全員がとても仲がいいというわけではありません。この7日間でケンカも勃発。本作ではどのように家族の絆が強まっていくのかを具体的に見ることができます。そして、複雑"な人生を避け、自分の人生を理想通りに実現してきたジャドが、この7日間をきっかけに変わっていく姿にも感動させられます。見終わる頃には、目頭が熱くなっているはず。この騒がしい家族を通して、自分の家族との関係性をもう一度見直したくなりました。

（文／トキエス）