役作りのため睡眠を禁止された女優の恐怖体験『108時間』
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ハリウッドでは、俳優たちが役作りのために過酷な減量や増量を繰り返すというのは有名な話ですよね。例えば、クリスチャン・ベイルが『マシニスト』不眠症の役を演じるため、あばらが浮き出るほどに減量したという話は日本でも話題に。他にも、ヒース・レジャーは役に深く入り込んだせいで不眠症になり、その結果服用していた薬から中毒を起こし亡くなってしまったというニュースも世界に衝撃を与えました。素晴らしい作品を作るにはとっても大事...でも常に危険が隣り合わせの"役作り"。映画『108時間』は、そんな過酷な"役作り"から体験する恐怖を描いた一本です。
主人公は、女優として有名になることを夢見ているビアンカ。舞台に立つ一方で、病的な父親の面倒も彼女がみていました。そんな中、新たなオファーが舞い込んできます。それは、廃墟となっている精神病院で開かれる舞台の主演を務めるというもの。108時間眠らずにいた女性の悲劇を描くこの舞台の演出家アルマは、出演者たちを登場人物に近づけるため、実際に睡眠を禁止します。父が病院に入ったことをきっかけに、この大きなオファーを受けたビアンカ。実は他にも候補者がいることを聞かされた彼女は、主役の座を狙い、アルマの指示通り眠らずに過ごします。しかし、彼女は徐々に幻覚や幻聴に悩まされ始めるのでした。
ビアンカは、過去にアルマの舞台で主役を演じたことのある女性から「絶対にやめた方がいい」と止められますが、なんとかチャンスを掴みたいと、極限の役作りに挑みます。しかし、幻覚が見え始め、さらにはその精神病院にさまざまな秘密が隠されていることを知った彼女は不安に襲われていくのです。ビアンカは精神不安定になりながらも、その秘密をひとつずつ拾い上げパズルを解くように真実を暴いていきます。彼女が見ているものは幻覚なのか、それとも......? 過酷な役作りをしたビアンカは、果たして無事舞台に立つことができるでしょうか。そこも注目してぜひご覧ください。
(文/トキエス)