もやもやレビュー

ストーリーなんて飾りです『スネーク・アウタ・コンプトン』

スネーク・アウタ・コンプトン [DVD]
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インターフィルム
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 ジャケットのタイトルとロゴから分かるように、本作の元ネタはヒップホップグループN.W.Aの伝記映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』だ。『ストレイト・アウタ・コンプトン』と『トレーニング・デイ』をパロディ化しているため、控え目ながら盛り込まれたパロディの数々にニヤリとするだろう。また未見であっても基本的に下ネタとオマージュした映画の小ネタがひたすら続くので、その下品さに笑えるはず。

 米国屈指の犯罪多発エリア・コンプトンを舞台にラッパーを目指す若者たちが、ビートとラップで巨大ヘビと戦うという、何を言っているのかさっぱり分からない内容。あらすじはほぼ存在しない。大まかな流れは生物オタクが自身の股間を大きくする前に拾ったヘビに生物を無限に成長させるビームを浴びせ巨大化。暴れるだけ暴れて最後は爆散する。
 本筋だけを追えば駄作の極みのような内容だが、上記のように本作の肝は脱線しまくりな小ネタにある。83分を下ネタとメジャー作品からドマイナーなB級映画までさまざまなオマージュのネタで埋め尽くすのだからストーリーがどうこうなんて些末な話である。そういう作品のため、まともな人間は1人も出てこない。全員、ボンクラ。

 実社会で本作を褒めた日には良心的な人間から指弾されそうだが、それでも視聴後「この映画作った人たち、楽しそうだなぁ」と思えるものになっている。

(文/畑中雄也)

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