もやもやレビュー

原作の要素を過積載でアウト『PとJK』

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「量産されるのだから、何かしら見るべきものがあるのかもしれない」と、漫画原作の実写化をディグっているのに、今回もまた地雷を踏む。
 本作は400万部を超える漫画が原作で、主演は亀梨和也と土屋太鳳。人気の漫画が原作だから、ストーリーはそう酷いことにならないだろうと思った自分がバカだった。

 開始から即座に警官が女子高生にプロポーズして結婚するという、世間的にはアウトな展開。しかも一目惚れとか、そういった描写もなし。この瞬間から亀梨和也が悪徳警官にしか見えなくなる。
 土屋太鳳の両親役に結婚の許可を求めるシーンがあるものの、お父さんは一応反対するも、どういう訳か手のひらを返して許可を与える。そして結婚するやいなや、すれ違いの生活になり、しまいには亀梨君、土屋太鳳の級友(男)を助けようとしてヤンキーに腹を刺される。目を開ければ土屋太鳳から「もう結婚生活を続けられない」と言われる始末。踏んだり蹴ったり過ぎる。

 一応、主役2人に絞って物語を記してこのデタラメさ。実際は人妻・土屋太鳳と級友との接近など、様々な関係を詰め込みまくって物語が方々に拡散している。10巻を超える作品(しかも未完)を2時間に収めることは大変なのだろうが、無造作に詰め込み過ぎだ。おかげで登場人物の言動が頭のおかしな人たちにしか見えない。しかも終盤に主役2人の結婚を祝福するフラッシュモブをブチ込んだせいで、いよいよカオス。本作を観て感情移入できる人間はいるのだろうか。「何だこいつら、アタマおかしんじゃねぇか?」以上の感想が出て来ない。

 原作の実写化では、原作を読んだ上でなければ映画の内容がさっぱり分からないという悪習がある。しかしそれより最悪なのはオリジナル設定でオチをつけることだろう。ただでさえ収拾つかない物語で、何の説明もなしにキャラクター設定を変えられたら視聴者は置いてけぼりである。

(文/畑中雄也)

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