もやもやレビュー

信頼を失うのは一瞬。その後悔は一生。『トゥルー・ストーリー』

トゥルー・ストーリー (字幕版)
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 『21ジャンプストリート』シリーズのジョナ・ヒルと、『スモーキング・ハイ』のジェームズ・フランコ。二人の共通点といえば、過去出演作でマリファナにやられたクレイジーすぎる役を好演したことですね。しかし、そんな二人が(ハイでなく)正常で、おふざけシーンが一切ないシリアスなドラマに出演。物珍しさから、2015年のドラマ『トゥルー・ストーリー』を鑑賞してみました。

 主人公はニューヨークタイムズの記者フィンケル(ジョナ・ヒル)。彼の記事は、一味違うセンセーショナルな内容で注目を集め、ファンもたくさんいます。しかし、一つの記事を捏造してしまったことで信頼を一気に失い、職を追われてしまうのです。一方、メキシコでは犯罪者クリスティアン・ロンゴ(ジェームズ・フランコ)が拘束。彼はなんとメキシコでフィンケルの名を名乗っていたというのです。その事実を知ったフィンケルは、自分の失った信頼を取り戻すため、彼と接触を図り、事件の真相を執筆することにします。ロンゴと面会したフィンケルは、「裁判が終わるまで誰にも真実を話さないこと」「文章の書き方を教えること」を条件に、独占取材を承諾されます。やがて二人は交流していくなかで、共通点が多いことに気づきだし......。

 優秀な記者がたった一回の間違いからクビを言い渡されてしまう...そんなシーンとともに「信頼を失うことは一瞬だ」という強いメッセージを冒頭で突きつけられます。そして、なぜだかフィンケルが抱く罪悪感のようなモヤモヤが観ている側に感染。その後は、終始暗い雰囲気の中で行われるフィンケルとロンゴの奇妙な交流がずーっと続きます。二人はまったく違う環境で育ち、これまで一度も接触したことはないにもかかわらず、物の考え方など共通点が多すぎる! そんな彼らに対する好奇心が徐々に増していくことも本作の見どころ。また、フィンケルが過ちのせいで苦しむシーンが多々あり、そんな彼の心境が痛いほど伝わって来きます。一度築いた信頼、何が何でも大切にしなければ!と再確認できた作品でした。

(文/トキエス)

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