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「ダンナは男だ」ということを忘れてないですか?『ノック・ノック』

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 既婚の友人たちからよく耳にするのが「長年連れ添ったダンナを男として見られない」「もう家族の一人だからドキドキしない」というもの。きっと、長年一緒にいることで相手が「男」であることを忘れてしまった人も少なくないのでは。しかし、どんなダンナでも男には変わりはない。注意しなくては狼に変身してしまうかも......そんな、女性にとてつもない恐怖感を与える作品がキアヌ・リーヴス主演『ノック・ノック』。

 建築家で仕事も順調、子どもと妻とハッピーライフを送っているのが主人公のエヴァン(キアヌ・リーヴス)。一つ彼に不満があるとしたら、奥さんは芸術家で多忙のため、夜の営みはご無沙汰、ということくらい。とある週末、仕事の都合で家族と出かけることができなかったエヴァンは一人で留守番をすることに。彼の住む住宅地はとても静かで、ご近所さんもみんな出かけている様子。しかも外は大雨。そんな暗いシチュエーションの中、突如インターホンが鳴り響きます。
 ドアの前に立っていたのは雨でずぶ濡れ状態のジェネシス、ベルの若い美女二人組。道に迷い、携帯も水没させてしまったというジェネシスたちを見捨てることもできず、エヴァンは家に招き入れます。タクシーが到着するまでの間、彼女たちと話をするエヴァンでしたが、ミステリアスで、無邪気で、セクシーな彼女たちに魅了されてしまいます。最後にバスルームで彼女たちに誘惑されてしまい、快楽に浸ってしまうのでした。翌日、彼女たちは家を去ったかと思うと、なんとリビングで大騒ぎ。二人は突如、凶暴な本性をあらわにし、酷い一言をエヴァンに放ちます。「15歳と淫らな行為をしたら、何年の刑が下るのかな?」。

 妻の芸術作品に落書きをしたり、部屋をぐちゃぐちゃにしたり、やりたい放題の彼女たち。しかし、エヴァンは凶暴な二人に勝てません。なんとか出ていってもらうように説得するも、「自分の犯してしまった罪をバラされたくない......」「15歳とは知らずとも犯罪は犯罪だ」そんな葛藤が彼の頭を駆け巡るのです。

 心優しいパーフェクトな一人の父親が、誘惑に負けてしまいどん底に落ちていく。なんとも心苦しい映画です。しかし、女性が本作を観れば「長年連れ添ったダンナも男に変わりはない」と不倫や女の影に用心できると同時に、少しは優しくなれたりするのかも。ちなみに前半には、直視できないほどのエロスが詰まっているので、鑑賞時はご用心。

(文/トキエス)

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