もやもやレビュー

心を込めて作った手料理こそ冷凍保存を。『グラスホッパー』

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 人気作家・伊坂幸太郎の"最強小説"と称されるベストセラーが映画化し、さらに、生田斗真、浅野忠信、山田涼介という豪華キャストが出演したことでも話題になった『グラスホッパー』。私たちが普段見ることのできない"裏社会"を舞台に繰り広げられるサスペンス・エンターテインメントです。

 ハロウィンで賑わう渋谷のスクランブル交差点で、残虐なひき逃げ事件が発生。教師の鈴木(生田斗真)はこの事故で、愛する恋人・百合子を失ってしまいます。復讐心を掻き立てられた鈴木は、犯人を突き止めようと自殺屋の鯨(浅野忠信)やナイフの使い手・蝉(山田涼介)など、さまざまな殺し屋が犇めく裏社会に潜入します。

 へなちょこメガネキャラの鈴木が、ただ愛する人の仇を討ちたい!という一心で展開していくストーリー。穏やかでないシーンも多いですが、亡くした彼女との回想シーンもちらほら。それはそれは、すんごくほっこりするものばかり。

 特にほっこりするのが、百合子が愛情を込めて作った料理を冷凍保存するシーン。百合子がタッパーを見つめながら「これってタイムカプセルだね」と語る言葉がなんとも印象的です。百合子曰く、解凍することでその時の味だけでなく、想いも思い出させてくれるそう。冷凍庫のCMにも十分使えそうな見事すぎるセリフです。

 裏社会の過酷さ、そしてちょいちょいグロテスクなシーンも含まれていることからR15指定になった本作。でもこの映画、ほっこりシーンにも見所がとっても多いのです。

(文/トキエス)

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