"最凶のずる賢い男"から現代の生き方を学べる『ナイトクローラー』
- 『ナイトクローラー [Blu-ray]』
- ジェイク・ギレンホール,レネ・ルッソ,リズ・アーメッド,ビル・パクストン,ダン・ギルロイ
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第87回アカデミー賞脚本賞にノミネートされた『ナイトクローラー』。役作りのために激ヤセしたジェイク・ギレンホールが、最凶と称するにふさわしすぎる賢い男を好演しています。
盗みで生計を立てていた人脈も金もない男・ルイス(ジェイク・ギレンホール)は、偶然、交通事故現場を通りかかります。そこで事故や事件報道専門のパパラッチ"ナイトクローラー"と遭遇。彼らがテレビ局と交渉している電話を盗み聞きしたルイスは、さっそく自分もナイトクローラーとして働くことに。まずは盗んだ自転車でビデオカメラと無線傍受器をゲットし、必要な情報を全てネットで学んだルイスは、ついにカージャック被害者の撮影に成功! その後、テレビ局の女性ディレクター・ニーナに映像を買い取ってもらえたことをきっかけに、さらなる刺激的な動画撮影を求め、どんどん行動が過激化していきます。
ネットからノウハウを学び、さらに交渉術まで身につけているルイスは、現代急増しているフリーランス業的にはかなりの"成功者"。努力を惜しまず、ずる賢い自分を肯定し、自信満々。そして自分の自信作とも呼べる事故現場の動画を、売り込むルイスの姿からはフリーランス業成功の秘訣を学ぶことができます。また、ルイスはまったくの未経験者からナイトクローラーを目指しているというのもポイントで、未経験者にも関わらず、態度や言動で信用を得て、仕事をゲットしていく様は、もう鳥肌もの。そのため、学歴も人脈もない人に希望を与える存在にもなりうるのが、ルイスの魅力でもあります。ルイスから"邪悪さ"を取り除いて自伝を出版すれば、日本でバカ売れしそうなくらい、彼から学べることはたくさんあるのです。
どんな状況でも、常に冷静で冷酷なルイスという男。今という時代を生き抜いていくには、"冷酷さ"も必要だということを、実感することができます。
(文/トキエス)