"無関心"なパートナーへの特効薬『ゴーン・ガール』

現在、パートナーがいる方。あなたは愛する相手のことをどれだけ知っているだろうか？
本作の主人公ニックは、相手のことを実はあまり知らなかったせいで、なんと全米から批判されるという、とんでもない事態に陥ってしまう。

大恋愛の末に結婚した、誰もが羨む理想の夫婦、ニックとエイミー。
毎年の結婚記念日には、意味深なヒントをもとにプレゼントを探す"宝探しゲーム"をするのが恒例という仲良しぶり。ところが5回目の結婚記念日、エイミーがこつ然と姿を消す。ニックは警察の事情聴取に応じるが、エイミーの血液型も、昼間に仲良くしている友達の名前も答えることができない。警察はアリバイも不自然なことからニックに疑いをかけ捜査を進める。

さらにメディアがこの事件を取り上げ、ニックは全米から疑いの目を向けられる。しかも、失踪したエイミーが5回目の記念日用に仕掛けていた"宝探しゲーム"は、隠したアイテムを見つける度になぜかニックがどんどん不利な状況に追い込まれていくというものだった。

エイミーは果たして無事なのか？　彼女は一体"宝探しゲーム"を仕掛けた時何を考えていたのか？そもそもエイミーの考え方や秘密を知っていたら、ニックは全米から疑いの目をかけられることもなかっただろう。
この作品から学べるのは、「どんなに信頼している相手でも、情報はある程度知っておくべきだ」ということ。

パートナーの好きなもの、嫌いなものをあなたはいくつ口に出して言えるだろうか。仕事ではコミュニケーション効果を高めるために相手先の情報を死ぬほど仕入れているくせに、プライベートのパートナーの情報は実はほとんど持ってないという男性は多いのではないだろうか。

また、女性は男性には理解しづらい"女性の本心"というやっかいな存在も隠し持っている。女性は「態度に出さなくても、私のことをわかっていてほしい」と思っている人が多いし、例えば喧嘩の末に「もう、好きにして」といいつつも、「本当は私のことを一番に考えて行動してほしい」と本心は逆のことを思っているパターンも多い。そんな、あまのじゃくで男性にとってはまったく意味不明な女性の心を、男性たちは本作で嫌でも学べるはず。

「信頼」の名の下に、パートナーのことを全然知ろうとしていなかった人！　この作品を見れば、きっと相手のことを知りたくてたまらなくなるだろう。

（文／アヤカ・ブルクレ）