コミュニケーションツールとして凄い! 飴ちゃんの威力を再確認。『ヘルボーイ』
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バッグの中に必ず飴ちゃんを忍ばせていることで有名な、大阪のおばちゃん。自分で舐めるだけでなく、他人とのコミュニケーションツールとして活用されていることも、よく知られています。さらにそこに、サプライズという要素まで加わった上位互換版が、黒柳徹子の飴ちゃん。たまねぎ頭の中に飴を常備していることは、今や誰もが知る話です。
そんな飴ちゃんコミュニケーションの素晴らしさを再確認できる映画、『ヘルボーイ』です。
ナチスによって魔界から人間界に召喚された悪魔の子、ヘルボーイ。超常現象が専門のブルーム博士に引き取られ、すくすく育った彼。全身真っ赤なボディに、巨大な角、長い尻尾を持つ悪魔な見た目に反して、人間と同じ心を持ち、恋も嫉妬もするダークヒーローに成長します。
さて、幼い悪魔だったヘルボーイをブルーム博士が引き取ることになったきっかけは、アメリカ版飴ちゃんでした。「Baby Ruth」というネスレのチョコ・バー(キャラメルとヌガーとピーナツをチョコでコーティングしたもの)を偶然持っていた博士。突然人間界に呼び寄せられて戸惑い怯えるヘルボーイに、その甘いお菓子をあげたところ、喜んでむしゃむしゃ。
「Baby Ruth」はきっと博士の好物でもあったのでしょう。悪魔という得体の知れない生き物ではあるけれど、美味しいという感覚は一緒! そんなお菓子を巡る共感が、一瞬にしてふたりの距離を縮めてしまったのです。
ちなみにこの「Baby Ruth」、映画『グーニーズ』にも登場しています。おデブちゃんのチャンクが、怪物フェイスのスロースと仲良くなったきっかけ、それもチャンクの大好物であるBaby Ruthの美味ししさを、分かち合ったことでした。
食事の場を共にすることは、コミュニケーションの基本とも言えますが、その簡易版にして、コミュニケーションの第一歩として絶大な威力を発揮する、飴ちゃん。誰もが簡単に始められる飴ちゃんコミュニケーションですが、『ヘルボーイ』、そして『グーニーズ』の事例から言えることは、忍ばせるなら、自分の大好きな飴ちゃんがいい!ということ。飴は飴でも、大好きな飴を共有する、それがきっとキモなのです。
(文/鬱川クリスティーン)