変化が欲しいと思ったら、携帯をなくしてみよう。『ローマでアモーレ』
- 『ローマでアモーレ [DVD]』
- アレック・ボールドウィン,ロベルト・ベニーニ,ペネロペ・クルス,ジュディ・デイヴィス,ジェシー・アイゼンバーグ,エレン・ペイジ,ウディ・アレン
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ペド疑惑で渦中のウディ・アレン監督の本作は、ローマが舞台。ローマのイケメンと電撃婚約した娘のもとへ、アメリカから飛んできた元オペラ演出家(ウディ・アレン)。恋人の親友の小悪魔女優の虜になってしまう建築家の卵(ジェシー・アイゼンバーグ)。田舎から上京した新婚カップルの宿泊先に突然現れたコールガール(ペネロペ・クルス)。ある日突然、大勢のパパラッチに囲まれ、大スターに祭り上げられた平凡な男(ロベルト・ベニーニ)。そんな4人の主人公による4つの奇想天外な物語が同時進行していきます。
筆者的に印象的だったのは、ペネロペ・クルス扮するコールガールの話。
コールガールとしてホテルに呼ばれるも、手違いで別の部屋を訪れてしまったアンナ(ペネロペ・クルス)。その部屋に泊まっていたのは新婚カップルで、奥さんは美容院へお出かけ中。ハプニングが重なって、アンナは妻として親戚に紹介され事態は思わぬ方向に。さらに、親戚の職場のパーティーに連れて行かれるんですが、そこにはコールガールとして相手をした客が何人もいたりして......。
一方の奥さんは、外出先で携帯を落として迷子に。そして、往年の人気俳優と巡り会います。ランチを共にし、彼が宿泊しているホテルに誘われ、そこで一夜を共にする決断をします...(結果はちょっと意外な展開ですが)。
ところで奥さんが置かれた「携帯落として道に迷う」という状況。これって改めてすごくロマンティックです。知っている人すべてとの連絡が断たれて、しかも自分がどこにいるかもわからない。そんな状況の中で見える世界は、きっといつもと全然違う世界なんだと思います。そんなワンダーランドで人気俳優に口説かれるかどうかは置いといて。たまにはこんなロマンティックなハプニングを、自分の日常の中にも起こしてみてもいいかも知れませんよ!
(文/森山梓)