もやもやレビュー

『ル・アーヴルの靴磨き』を観て、やっぱり親切に生きようと思った。

ル・アーヴルの靴みがき 【DVD】
『ル・アーヴルの靴みがき 【DVD】』
アンドレ・ウィルム(声:大塚芳忠),カティ・オウティネン(声:田中敦子),ジャン=ピエール・ダルッサン,ジャン=ピエール・レオー,ブロンダン・ミゲル(声:朴 璐美),アキ・カウリスマキ
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 はじまして! 人生初レビューを書かせて頂いております。記念すべき一回目はフィンランドのアキ・カウリスマキ監督の「ル・アーヴルの靴みがき」について書いてみたいと思います。お手柔らかに読んでいただければと思います!

 派手さはない。というより、かなり地味なこの作品。監督は、小津安二郎の影響を受けているのだとか。ラストシーンで、北仏が舞台にも関わらず、満開の桜が登場するあたりもその影響なのでしょうか。淡々と進行するストーリーの中、一気に親近感が湧きました。

 主人公は、北仏の港町ル・アーヴルで靴磨きの仕事をしている、初老のマルセル。末期の病を患う妻と愛犬と共に慎ましやかに暮らしているのですが、ひょんなことから港に漂着した不法難民の黒人少年をかくまうことになります。さらに、警察に追われているこの少年を、ロンドンで働いているという母親のもとへ送り届ける手伝いも。警察に怪しまれ追われながらも、理解のある警察官や近隣の仲間の協力もあって、なんとか無事に密航を成功させます。

 マルセルにとっては見ず知らずの少年を助けたところで何の得にもなりませんし、かなりのリスクを伴うことなので、普通は頼まれてもなかなかできることではないですよね。そんな彼には、特段のご褒美が待っていました。なんと治る見込みの全くなかったはずの妻の病気が治り、退院しまた仲良く暮らせることになったのでした。

 よく人にいいことをすると自分に返ってくると聞きますが、まさにその言葉が浮かびました。普段から人に親切にすることはいいことですが、あわよくばそれが自分に返ってきたら、こんなにステキなことはないですよね。明日から身近な人に親切にすることから始めてみるのもいいかもしれません。きっとあなたのもとにも思わぬ幸運が待っているかもしれませんよ。ただし、欲張りすぎると単なるうざい人になっちゃうので、気を付けくださいね!

(文/森山梓)

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