もやもやレビュー

『SOMEWHERE』を観て心愉しい秘密について考えた。

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 皆さまごきげんよう。一日雨だったので家にあるもので、と思ったら玉ねぎだけのカレーができました。「侘び」を学ぶ機会とムリヤリ思うことにします。

 さてソフィア・コッポラ監督の『SOMEWHERE』を観てみました。
 フェラーリを乗り回し、ホテル暮らしで部屋にはポールダンサー(それも双子の!)をデリバリー、パーティー三昧の生活を送る映画俳優の主人公は、前妻から家をしばらく空けるという連絡があり、その間11歳の娘との共同生活を送ることになります。
 エル・ファニング演じる娘がとにかく美しい!

 ホテルのプールやWiiで遊んだり、イタリアに行ったり、いろんなものを食べたり。かけがえのない輝かしい日々のなか、夜中に2人で4種類もアイスを食べたり、サマーキャンプの持ち物に「おやつは禁止」と書いてあるけどきっとお腹が空くからこっそり持っていけば、と助言したり、母親だったらきっと眉をひそめるであろうことを父は平然と推奨。何とも心愉しい2人の秘密にほっこりします。

 思えば自分も小学生の頃、風邪っぽいと言ったら父に「すべてを投げうって、今すぐ寝ちゃいなさい」と言われ仰天した覚えがあります。まだ明日の教科書揃えてランドセルに入れるとか、歯磨きとかいろいろルーチン終わってないけどいいの!?と何だか不謹慎なワクワクを覚えたものです(しかし後でやはり不安になって、教科書を揃えてから寝なおしました)。

 父とだけ通じる話題、母と2人の時にだけ行く特別なお店。家族の中にも目に見えない不可侵な領域があって、そこにはかわいらしい秘密がたくさん転がっています。秘密は一見するとイケナイもので、あまり持ちたくないものですが、人生をカラフルにしてくれる材料にもなると知りました。

(文/小野好美)

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