『アイ・アム・サム』を観て家のティッシュが枯れ果てた。

　母親からFacebookの友達申請が来て震えています。
　7歳時ほどの知能しかない中年男サムはホームレスでろくでなしの女が生んだ自分の娘ルーシー・ダイヤモンドと、毎日懸命にそして幸せに暮らしていました。しかしルーシーが7歳になりサムの知能を追い抜いてしまいます。そしてソーシャルワーカーから教育に必要な父親としての能力が足りていないと判断され、ルーシーを施設に取られてしまい......。

　ストーリー、役者の演技共に素晴らしく、主演のショーン・ペンはアカデミー賞の主演男優賞にノミネートされました。また娘役のダコタ・ファニングが可愛くて仕方ない!!!　父親より自分が賢くなるのを恐れ、わざと単語が読めないフリをしたり、何もできない自分を恥じて「ごめんよ、こんな父親で」というサムに対し「平気よ、他のパパとは一緒にふざけられないから」と明るく振る舞うその健気な気遣いに泣けます。それもこれも、彼女はたった一つの重要なことが分かっているからです。父親であるサムが自分のことを心の底から愛しているということです。彼の知恵が7歳でも、その眼差し、行動、全てから愛を感じ取っているからです。この映画を観て思いました。親が子供に果たすべき役割はただ一つ、愛すること。です。そう、愛こそすべてなのです!!　辛い時に一緒にいるだけでいいんです!　手を握ってあげるだけでいいんです!　この映画の中で流れる音楽は全て有名アーティストがカバーしたビートルズの楽曲なんですが、この映画の結論は一つ! 「All you need is Love」です!　やっぱりビートルズすげえ!
　娘もいないし、妻もいないし、なんなら彼女すらいませんが、愛に震えてティッシュが枯れ果てました。愛を持っている人類全てに届く最高の映画です。

（文／前髪ナガレ）