もやもやレビュー

『時をかける少女』を観てかっこいいタイムリープについて考えた。

時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)
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『時をかける少女』は1967年の筒井康隆の小説で、その後これを原作に映画など多くのリメイクが誕生しています。原作では主人公の和子は中学生。理科室の掃除中に嗅いだラベンダーの香りをきっかけに、時間を自由に行き来できるタイムリープの能力を手に入れます。タイムリープを使いながら青春を送り、最後はタイムリープの秘密がわかると共に、想いを寄せる男子との別れが訪れてしまうという、ちょっぴり切ない青春SFの名作です。
 なかでもアニメ映画『時をかける少女』は、『おおかみこどもの雨と雪』や『サマーウォーズ』の細田守監督の出世作として話題になりました。主人公の真琴は高校生。ある日理科室で不思議なくるみを割ってしまい、タイムリープの能力を手に入れます。カラオケで永遠に歌うため、大好きな晩御飯をもう一度食べるため。くだらないことにタイムリープを使い、青春を謳歌します。最後は原作と同じく、タイムリープの秘密が明らかになると共に、好きな男の子とのお別れが訪れます。別れのシーンはとても切なくて、アニメ映画史に残る名場面でもあります。
 アニメ版の主人公である真琴は原作の主人公和子の姪という設定で、和子も叔母役で登場します。この2つの作品は主人公や時代などがところどころ違うのですが、筆者が気になったのはタイムリープの方法です。原作では、緊急時などに強く意識することで、体がふわりと浮かぶ感覚になり、タイムリープします。一方アニメ映画では真琴が思いっきり走ってジャンプしてタイムリープします。そしてリープした着地の際は毎回ゴロゴロ転がります。つまり派手なんです。バカなんです。筆者はこの走ってジャンプするシーンが大好きです。最高です。
 思い切り走る、ジャンプする。これは何も知らないうちに駆け抜けていってしまう青春の像そのものだからです。この演出を思いついた細田守は最高です。真琴がジャンプしているシーンは映画のポスターなんかにも使われているメインビジュアルです。CMでも全面的に使われていました。最高だ。
でもでも、もしかしたら、あくまでもしかしたらですが、もっとかっこいいタイムリープのポーズがあるんじゃないか?そう思っていくつか考えてみました、適当に発表していきます。

候補①土下座したらタイプリープ 
土下座をする場面というのは大体の場合、大ピンチです。会社で怒られて、彼女に浮気がばれて、借金取りに追いかけられて......。そんなピンチの際に使うみっともない技が土下座です。その土下座がタイムリープになっていればその状況から逃げ出し、過去に戻ってやり直せます。比較的腰の低めな主人公像が浮かびますね。

候補②キスしたらタイムリープ
街中でいちゃいちゃするカップルほどイライラするものはありません。彼らがキスした瞬間にタイムリープでどっかに行ってくれたらなんて素敵なんでしょう!! というかむしろ家の中でもいちゃいちゃしてる幸せなカップルは嫌いなのでタイムリープしてください! 離れ離れの時代に飛んでください! こちらは真面目な主人公からちょっとヤンキー系の主人公も想像できます。

候補③素っ裸になったらタイムリープ
「何も身にまとわず、生まれたままの姿でいたい。」と、誰しも考えたことがあるでしょう。時々その欲求に耐えきれなかった人達が逮捕されたりしていますね。しかし、もし素っ裸になることでタイムリープできるなら、どんな緊迫感のある場面でも逃げることができます! すごい! 「立つ鳥跡を濁さず」です! 違うか。全裸になるとタイムリープ! これは爽快感溢れる非常に魅力的なタイムリープなのですが、タイムリープした先で素早く服を手に入れる必要があるというリスクがあります。上級者におススメのタイムリープです。体育会系の主人公像が浮かびます。女の主人公は諦めざるを得ないかもしれません。

 原作と映画の違いを見ながらこの名作を楽しむのもいいと思います! 筆者はアニメ版を観るたびにどうしようもなく寂しい気持ちになっています。つまりそのぐらい素晴らしいということ!!

(文/前髪ナガレ)

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