オニオングラタンスープをカレーにしたら?

撮影:野口健志
料理・菓子研究家の坂田阿希子(さかた・あきこ)さんの連載「サカタメシ」がスタートしました。第1回を飾るのは「まかないチキンカレー」です。

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オニオングラタンスープってみんな大好きでしょ!?
オニオングラタンスープをカレー味にしたらどうだろうって思ってできたのが、この「まかないチキンカレー」。
料理撮影のとき、まかないとしてよくつくるメニューの一つ。まず、鶏骨付きブツ切り肉に塩をまぶしておきます。煮ている間に味が出ておいしくしてくれるから、骨付きが断然ラク。
たまねぎは薄切り。なるべく薄く薄く切るほうが早く炒まります。トマトは皮を湯むきしたいけれど、急いでいたら直火に当ててむいてもいい。一口大に切るだけ。
どーんとでっかい厚手の鍋にバターをたっぷり溶かし、たまねぎを炒めていきます。とにかく強火。全体にしなっとしたら、平たくしてほっておきます。底が焦げてきたら、グルグルッと混ぜてまた平たくして放置。鍋の内側が焦げついたら、水を少しだけ足し、焦げた部分をこそげます。これを繰り返し、色づいてきたら、しょうがとにんにく、赤とうがらしも加えます。しょうがはたっぷりが好き。たまねぎって、つきっきりで炒めていても全然茶色くなりません。ほっておいて時々混ぜる、というのがいいわけ。だから、意外と撮影のときもつくりやすいんです。
濃い茶色になったら、これがカレーの味の素(もと)。これをベースに、オニオングラタンスープや肉の煮込みもできるんですよ。ここまで25分間くらいかな、しっかり色づいたところにカレー粉、粉のスパイスを適当に加えて炒めます。カレー粉だけでもいいですよ。ガラムマサラ、クミン、カルダモン、コリアンダー、ターメリック、カイエンヌペッパーなどがあれば、好きな風味を加えましょう。はい、香ばしくなりましたね。
そうしたら、小麦粉を加えて炒めます。水を加える前に、トマトをつぶしながら炒めてうまみを出します。水は、最初は少しずつ入れてなじませ、残りをざっと加えます。
鶏肉は水けを拭いて、別にフライパンで焼きますが、焼き目がつくまではとにかくいじらないこと。サラダ油で、強火で両面に壁をつくるようにしっかり焼き目をつけてくださいね。鍋に加えたら弱火でふたをして、あとは時々混ぜながら、40〜50分間ほっておきます。
最後に薄切りのマッシュルームをバターで炒めて加え、風味をプラス。さらに、小技を一つ。仕上げにカラメルを入れると、まるで一日ねかせたようなコクが出ます。これほんと! 塩で味を調え、ヨーグルトを入れれば、マイルドな欧風カレーのでき上がり。歯触りの楽しい薬味をたっぷり添えて。
※詳しい材料と作り方はテキストに掲載しています。
■『NHKきょうの料理ビギナーズ』2017年4月号より

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