育ててみたいビカクシダ

羽のように立ち上がる胞子葉が魅力のヒリー‘ミセスD’。撮影:丸山 光
不思議なフォルムで人気のビカクシダ(コウモリラン)。観葉植物専門店を営む中山裕二(なかやま・ゆうじ)さんが、3タイプの仕立て方を紹介します。

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ビカクシダは、狭義ではウラボシ科ビカクシダ属のビフルカツムを指しますが、園芸では、ビカクシダ属の総称として使われるのが一般的です。ビカクは「麋角」と書き、大鹿を意味します。葉の形が大鹿の角に似ていることから、この和名がつきました。株姿から、コウモリランとも呼ばれています。着生シダの仲間で、オーストラリア、アジア、太平洋諸島、アフリカやマダガスカル、南アメリカの熱帯域に18種があります。日本に流通しているものは、オーストラリア原産のビフルカツムと、その交配種がほとんどです。

■流通している仕立て方はこの3タイプ

鉢植え
鉢やポリポットの株の植え込み資材は、水ゴケやヤシ殻用土。普通の鉢植えのように管理できるので、初心者にもおすすめです。ただし、鉢を置くスペースが必要。また、テラコッタ鉢や素焼き鉢のものはやや乾きやすいので、水ゴケの湿り具合をしっかりチェックしましょう。

板づけ
ビカクシダといったらコレ! という形態。株を板、流木、板などに着生させたもので、壁に掛けたり吊るしたりできます。ただし、鉢植えに比べて乾きやすいので、水切れに注意を。ヘゴ製の板はすき間に根が張ることができるので、しっかり着生します。

こけ玉
見た目もかわいらしく、買ってきてすぐ吊るして楽しめて、場所をとらないのが利点。両手のひらに収まるサイズが多く、移動や作業もラク。通風がよいぶん乾きやすいので、水切れさせないように、しっかりこけ玉を湿らせておくのがコツ。

■『NHK趣味の園芸』2016年1月号より

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